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【裏金問題】自民党派閥パーティー券さばきの実態 ノルマに苦しむ議員事務所側から「早くチケットをくれ」の催促も

松野博一・前官房長官(時事通信フォト)

松野博一・前官房長官(時事通信フォト)

 自民党の派閥が政治資金パーティーで集めた収入を政治資金収支報告書に適切に記載しなかった問題で、東京地検特捜部は松野博一・前官房長官ら安倍派幹部、二階派の議員秘書らへの任意聴取を進める模様だ。政治資金規正法違反が問われる問題をめぐっては、関係者の証言から「パーティー券を売る」という行為の実態も浮かび上がってきた。

 任意聴取が進められている幹部らは、その影響力を背景にノルマを超えてパーティー券を売り、多額のキックバックを受けた立場でもあるとみられているが、ノルマを達成するのでせいいっぱいという議員も少なくなかったようだ。二階派関係者が語る。

「パーティー券を売る側の議員事務所の秘書たちにとっては、かなりの負担があることなんです。なにしろ1か月あまりの短期間で50枚、100枚、閣僚経験者なら500枚を超えるような、かなりの枚数の券を売り切らないといけませんから」

 二階派の政治資金パーティーは毎年4、5月ごろ、都内のホテルで開催されてきた。安倍派ほか他派閥でもこの時期が選ばれるのは、国会開会中ということで派閥所属の国会議員が東京で顔を揃えやすいからだ。

今年も4月に、「志帥会と同志の集い」が三木谷浩史・楽天グループ会長やセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使をゲスト講師に招いて開かれている(コロナ禍だった2020年は10月、2021年は9月に開催)。前出の二階派関係者が続ける。

「2月ごろには規模を決めて会場のホテルを押さえてしまうのですが、実際にはそれ以外に決めなければいけないことがいくつもあります。〈パーティーの名称をどうするか〉〈講師を呼ぶのかどうか〉〈チケットのデザインをどうするか〉……。そういった細かい点を決めないと、券面を印刷できない。ところが、これがなかなか会長や事務総長の意向が固まらずに決まらないんです」

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