「やだ~! 本当にうれしいです!」。小泉今日子(57才)が少女のように声を弾ませたのは、12月11日、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組『小泉今日子のオールナイトニッポンPremium』(ニッポン放送)でのことだ。その日は「1970年代アイドルソング特集」をテーマに、小泉が会いたいと熱望した伊藤蘭(68才)、浅田美代子(67才)、石野真子(62才)の3人が順にゲスト出演。冒頭は石野が登場したタイミングでの小泉の反応だ。
「小泉さんはデビュー前から、石野さんの大ファンだったんです。当時通っていた高校が自宅から遠かった小泉さんは、石野さんがテレビ出演する時間に帰宅が間に合わないときには、学校の近くに住む同級生の家に押しかけてテレビを見たこともあったほどです」(芸能関係者)
いまでこそ大女優の石野だが、デビューからしばらくはアイドル路線。当時、石野に憧れた小泉は、後を追うようにアイドルの道を目指した。1981年にオーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)に出場し、石野が歌う『彼が初恋』を披露して見事に合格。石野と同じ事務所に所属することになった。
だが、憧れの相手と同じステージに立つことは叶わなかった。小泉の事務所入りとすれ違うように、石野は1981年6月に長渕剛(67才)との結婚を発表し、同年8月に芸能界を引退した。
翌年「花の82年組」のひとりとしてデビューした小泉は、『渚のはいから人魚』(1984年)や『なんてったってアイドル』(1985年)などヒット曲を連発。またたく間にトップアイドルにのぼり詰めたが、その要因は脳裏に刻まれたアイドル像だった。
「1970年代後半からトップアイドルとして君臨した石野さんは“かわいいけどロックでちょっと不良っぽい”雰囲気が人気でした。小泉さんはそのスタイルを受け継ぐように、当時主流だった清爽なアイドル路線とは一味違った、等身大で歌って踊るパフォーマンスを確立しました。憧れた石野さんのスタイルを真似ていたようです。こうした背景もあって、小泉さんにとって石野さんは、“私の原点”と公言する存在でもあるんです」(前出・芸能関係者)
冒頭のほかにも小泉は、「本当に久しぶりに会ったけど、久しぶりじゃないみたいにお話ができてる!」「好きです(笑い)。これからもよろしくお願いします!」などと、若き日に戻ったように大ハシャギだった。
近年の小泉はプロデュース業などにも活動の幅を広げ、政治的な発言も目立つようになった。アイドル時代を知る元親衛隊のなかには、変わりゆく小泉の姿に寂しさを覚える人もいた。だが、石野を前にした小泉の声は、当時の姿をよみがえらせたという。
本人にとってもファンにとっても、プレミアムな一夜だった。
※女性セブン2024年1月4・11日号