連続ドラマへの初出演、ソロアーティスト活動の開始、アパレルブランドの起ち上げなどと、活躍の場をますます広げている王林さん。キュートな津軽弁と天真爛漫なリアクションで、飛ぶ鳥落とす勢いでバラエティー番組には欠かせない人気タレントだ。
地元のご当地アイドルグループ卒業後、順風満帆とも思える活躍の裏で、実は「芸能界引退」を真剣に考えていた時期もあったという。25歳となった彼女の、自身を育んだ青森への強い想いと、想いがあるゆえの悩みや戸惑い──バラエティー番組では語られることがない、「等身大の王林」の素直な気持ちを語ってもらった。【前後編の前編】
──2022年3月の「RINGOMUSUME(りんご娘)」卒業後も、あいかわらずの活躍ぶりですが、特に今年は新しいジャンルでの活動が数多く見られました。ソロ活動への意欲というのは、りんご娘の頃から秘めていたのでしょうか。
「実はそうでもなくて、そもそも王林のなかで、りんご娘を卒業するという展望はなかったんです。バラエティー番組に出させていただいていたのも、りんご娘や青森のことをもっと知ってもらいたいという気持ちからだったので。ただ、メンバーそれぞれに将来の夢があって、彼女たちの『次のステップに進みたい』という想いを応援する意味も含めて、自分も卒業する道を選びました」
──そうだったんですか。
「でも、いざ、りんご娘から離れたら、どういうモチベーションでやっていけばいいのか、分からなくなってしまって。正直、今こうして芸能のお仕事を続けている自分の姿というのは、当時は想像ができませんでした」
──グループ卒業だけでなく、まさか芸能界からの「引退」を考えたりも?
「はい、辞める気満々でした(笑)。小学生のときから芸能活動をしてきたので、やりたいけれど諦めていたことがたくさんあるんです。たとえば、在学中にしたかった留学ができていないのも心残り。なにより、家族と過ごす時間がすごく少なかった。りんご娘卒業後は、今までできなかったことをやり、青森で家族と一緒に過ごし、ゆっくり自分と向き合う時間なのかなぁと考えたこともありました」