王林さんにとって青森は、すべての活動の原動力でもあり、本当の自分でいられる場所。地元愛を語るアイドルやタレントは少なくないが、ここまで深く思い、実際に行動に移している者はなかなかいない。
青森のことを語りはじめると、目の輝きが増し、言葉の温度が少し上がる。「青森を世界に届ける」ために、やりたいことはまだまだたくさん。目下の目標は、青森での音楽フェス開催。彼女の想いと行動力、そして、津軽女の“じょっぱり魂”があれば、実現する日はさほど遠くはなさそうだ。【前後編の後編。前編から続く】
──王林さんの活動の根底には、青森への強くて深い愛情が常にあります。芸能活動をする根本的な理由と言ってもいい。ここまでの「青森愛」は、子どもの頃から?
「小さいときは、純粋にモデルになりたかっただけで、そのために東京へ出ようとも思っていました。ただ、芸能の仕事をするようになって、青森の各地を回り、青森のことを知る機会が増えるなかで、今まで見ていた青森の景色や食べていたものは『当たり前じゃない』と思うようになったんです。
そして、東京をはじめ、全国の人たちはなぜこの魅力を知らないんだろうと。そこから青森への想いがどんどん強くなって、青森の素晴らしさをもっと知ってもらいたいと考えるようになりました。小さいときから王林を支えてくれた青森のたくさんの人たちに、ちゃんと恩返しをしたいという気持ちもあります」
──これだけ忙しくなっても東京には家を持たず、青森の「家」に帰っているそうですね。
「東京にいる間は、身のまわりのものすべてが刺激的で、落ち着くということができない。常に気を張っています。ずっと海外で生活しているみたい。そうなると、体調にも影響が出ますよね。呼吸は浅くなるし、肌も荒れる。風邪も引きやすい。
青森に帰ると、体が軽くなる。いったんリセットされて、本当の自分が戻ってくる感じがします。やっぱり、青森にいるときの自分が、本来の自分なんです。そういった意味では、青森を大切にするというのは、自分を大切にすることでもあるんでしょうね。もはや、青森と私は『一心同体』です(笑)」