スポーツ

【引退から50年】長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からのメッセージ「私の人生は、これからも野球とともにあります」

長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からのメッセージ(時事通信フォト)

長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督からメッセージが寄せられた(時事通信フォト)

 プロ野球の歴史に燦然と輝く巨人の9年連続日本一。そのV9達成から50年が過ぎた。そして、2024年をもって、栄光のV9戦士の中心にいた長嶋茂雄氏(87)が現役のユニフォームを脱いで半世紀となる。節目を迎えての思いとは──長嶋氏から、本誌・週刊ポストにメッセージが寄せられた。ジャーナリストの鵜飼克郎氏がリポートする。

 * * *
 長嶋氏が自身の引退セレモニーで、「わが巨人軍は永久に不滅です」という球史に刻まれる名台詞を残したのは、1974年のことだ。

 六大学野球のスターだった長嶋氏は1957年に巨人に入団して以降、輝かしいキャリアを歩んだ。野性的な動きと勝負強いバッティングで一躍人気者となり、1959年の天覧試合でのサヨナラホームランで鮮烈な印象を残した。“記憶の長嶋”と称されるが、記録でもシーズン最多安打10回という日本記録を打ち立てた。

 その歩みのなかでも、文字通り「不滅の記録」と言えるのが、1965~1973年のV9だろう。V9の期間中に長嶋氏が放った先制、同点、勝ち越しの殊勲打は258本。勝利打点は148を数える。ホームラン数で圧倒的な記録を残した王貞治氏の勝利打点が138だったことからも、長嶋氏の驚異的な勝負強さがわかる。

 主力のベテラン化もあって1974年にV10を逃すと、長嶋氏は引退を決意。翌シーズンに巨人軍監督に就任した。

 あの時代から半世紀──巨人軍終身名誉監督となった長嶋氏は今、どう振り返るのか。所属事務所に尋ねると、以下のメッセージが寄せられた。

〈私の人生は野球に始まり、これからも常に野球とともにあります。ユニフォームを着ていた現役時代と心構えは全く変わりはありません〉

 たしかに、長嶋氏の人生ほど、〈常に野球とともに〉という言葉が相応しいものはないだろう。

ボクは天才肌じゃない

 本誌では2014年7月に〈私だけが知る『巨人V9の真実』〉と題した連載を開始。V9戦士やそのライバルたち33人の証言を詳報した。その内容は、V9のスタート(1965年)から半世紀となる2015年に、拙著『巨人V9 50年目の真実』にまとめている。

 一連の取材のなかで、長嶋氏にインタビューしたのは2014年12月のことだった。

 現役時代について話す長嶋氏の活き活きとした表情が、今もはっきりと思い出される。その時の証言をここで改めて紹介したい。当時、長嶋氏はV9を達成できた理由について、こう話していた。

「やはり、『総合力』でしょう。1番の柴田(勲)から始まって、土井(正三)、ワンちゃん(王貞治)、ボク……そして下位打線に至るまで、それぞれが役割を果たしていた。とくに強かったのはV3~V6までの期間だったね。やっていた本人が言うんだから、間違いないよ(笑)。その4年間は、負ける気がしなかったね。

 その頃のジャイアンツは、先制されることが多かったんです。でも、0対4とかで負けていても、ベンチでは誰からともなく『よ~し行くぞ』『やってやろうじゃないか』といった声があがり、チームが一丸となりました」

関連記事

トピックス

6月3日に亡くなった長嶋茂雄さんとの写真を公開した大谷翔平(公式インスタグラムより)
《さようなら長嶋茂雄さん》大谷翔平から石原裕次郎まで、誰からも愛された“ミスター”の人生をスターたちとの交流で振り返る 
女性セブン
人気インフルエンサーがレイプドラッグの被害者に(Instagramより)
《海外の人気インフルエンサーが被害を告発》ワインに“デートレイプドラッグ”が混入…「何度も嘔吐し、意識を失った」「SIMカードが抜き取られていた」【オーストリア】
NEWSポストセブン
『激レアさんを連れてきた。』に出演するオードリー・若林正恭と弘中綾香アナウンサー
「絶対にネタ切れしない」「地上波に流せない人もいる」『激レアさんを連れてきた。』演出・舟橋政宏が明かす「番組を面白くする“唯一の心構え”」【連載・てれびのスキマ「テレビの冒険者たち」】
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
現場には規制線がはられ、物々しい雰囲気だった
《中野区・刃物切りつけ》「ウワーーーーー!!」「殺される、許して!」“ヒゲ面の上裸男”が女性に馬乗りで……近隣住民が目撃した“恐怖の一幕”
NEWSポストセブン
シンガポールの元人気俳優が性被害を与えたとして逮捕された(Instagram/画像はイメージです)
避妊具拒否、ビール持参で、体調不良の15歳少女を襲った…シンガポール元トップ俳優(35)に実刑判決、母親は「初めての相手は、本当に彼女を愛してくれる人であるべきだった」
NEWSポストセブン
「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
《“ミスター”長嶋茂雄さん逝去》次女・三奈が小走りで…看病で見せていた“父娘の絆”「楽しそうにしている父を見るのが私はすごくうれしくて」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ犯から殺人犯に》「生きてたら、こっちの主張もせんと」八田與一容疑者の祖父が明かしていた”事件当日の様子”「コロナ後遺症でうまく動けず…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「本人にとって大事な時期だから…」中居正広氏の実兄が明かした“愛する弟との現在のやりとり”《フジテレビ問題で反撃》
NEWSポストセブン
現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
「兄として、あれが本当にあったことだとは思えない」中居正広氏の“捨て身の反撃”に実兄が抱く「想い」と、“雲隠れ状態”の中居氏を繋ぐ「家族の絆」
NEWSポストセブン