上村一夫原作の人気劇画を映画化し大ヒットした『同棲時代─今日子と次郎─』(1973年)から50年。ヒロインの今日子を演じた由美かおるは「73歳の今も、Y字バランスは得意」だという。由美が当時を振り返る。
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初めて大人の役に挑戦したのが、映画『同棲時代』(1973年)です。同棲という男女のあり方が当時は画期的で、社会現象になったほど。私がオールヌードになったポスターも注目を集めて街で次々と盗まれました。
あの頃の私はデビュー7年目の22歳。ヌードになることは悩みましたが、監督の「これは愛のメルヘンだから、君のきれいなヌードをポスターで表現したい」という言葉で覚悟を決めました。
今でも、「あのポスターにずいぶんお世話になりました!」なんて、よく声をかけていただくんです。どういう意味かはわかりませんけど。フフ。
青春のあの儚く美しい一瞬を形に残せてよかったと思います。愛に奔放な女の子を演じて、私自身もこの映画と共に自然と大人になれました。
私が芸能活動を始めた1960年代後半は“ミニの女王”ツイッギーが来日した時代で、10代の私もダンスグループ「レ・ガールズ」としてミニスカートで歌って踊っていました。『水戸黄門』の「かげろうお銀」役でもミニ丈の着物に網タイツ姿でしたし、「由美かおる」にとって切り離せない“相棒”です。
そんなミニスカートを70歳を機に復活させたんです。心も開放的になって普段からどんどんはいています。階段などでは男性陣の熱い視線を脚に感じますが(笑)、これがとってもいい刺激に。緊張感が若さにも繋がるんじゃないかな。ミニスカートを生涯、貫きたいと思っています!
【プロフィール】
由美かおる(ゆみ・かおる)/1950年生まれ、京都府出身。『11PM』で脚光を浴び、『夜のバラを消せ』(1966年)で銀幕デビュー。『同棲時代‐今日子と次郎‐』(1973年)ではヌードポスターも話題に。時代劇『水戸黄門』(TBS系)には1986年から25年間レギュラー出演し、妖艶な入浴シーンは204回披露。自身が開発した呼吸術の指導を全国で行ない、近著に『由美かおる ブリージング・レッスン:人生100年時代を生き抜くための神呼吸術』(白秋社)。
取材・文/渡部美也
※週刊ポスト2024年1月1・5日号