各局がエースアナを投入する朝の情報番組。この激戦区を制した者が局の顔、ひいてはテレビ界の顔になってきた。2024年に朝の顔として君臨するのは誰か。アナウンサーに詳しい放送作家の山田美保子氏とエッセイストの青木るえか氏が候補を挙げた。
山田:なんといっても『ZIP!』(日本テレビ系)の水卜麻美アナ(36)。もはやつけ入る隙がないですね。等身大で飾らず、アナウンス力も高い。安定感が抜群です。
青木:“ああ見えて、実は……”みたいなツッコミどころがまったくありません。人気があるのに調子に乗らないし、食リポの時はガーッと食べて、自分を綺麗に見せたいという気持ちもあまりないみたい(笑)。
山田:露出が増えると勘違いしてタレント化しちゃう女性アナも多いけど、水卜アナは地に足がついている。愛社精神に満ちているので、後輩たちを育てようという気持ちも強いんです。『ZIP!』で俳優の中村倫也との結婚を発表した時も、控えめにノロける姿が実に水卜アナらしかった。
青木:その水卜アナのライバル候補を挙げるなら、オリコンの「好きな女性アナランキング」(2023年12月発表)で4位に上昇した『ラヴィット!』(TBS系)の田村真子アナ(27)でしょうか(2022年は8位)。猛獣のような男性芸人たちと毎日一緒にやるのはキツイはずですが、接し方がすごく上手。
山田:たしかに! あんなに“濃い人”たちと絡んで、しっかり場を回すのは大変です。当初は報道志望だったけど、お父様(田村憲久・元厚労大臣)が政治家だから起用できなかったといわれていた。でも結果的に情報バラエティで花開きましたね。お嬢様ならではの育ちの良さが嫌味なく出ている。『ラヴィット!』ってファミリー層に人気で、それは田村アナのキャラも大きいと思う。
青木:田村アナも水卜アナ同様、隙がない印象です。「朝の顔」に必要なのは、声と喋り方とアナウンス技術、そしていい意味で“圧が強すぎない”ことだと思います。
山田:原稿読みはもちろん、朝の番組では機転をきかせたり、空気を読んでスタッフみたいな裏回しができることも大切。その点でいえば、水卜アナと田村アナが抜けています。でも、やっぱり格的には水卜アナが上かな。
青木:たしかに水卜アナは盤石。田村アナも『ラヴィット!』で修業を積んで、いずれ局を背負う看板アナになるでしょう。