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【ヨネスケ×やくみつる】2024年の大相撲を展望 波乱の土俵が続く戦国時代、次の横綱 は「霧島」か「琴ノ若」か

好角家で知られるヨネスケ(右)とやくみつるが語り合う

好角家で知られるヨネスケ(右)とやくみつるが語り合う

 大相撲初場所では、九州場所を制した大関・霧島が綱取りに挑む。毎場所、土俵上の主役が入れ替わる“戦国時代”に変化は訪れるのか──好角家で知られるヨネスケ(落語家)とやくみつる(漫画家)が語り合った。【前後編の前編】

やく:“番付崩壊”なんて言われますが、私は大いに楽しませていただいておりますね。10年サイクルでいろんな時代がある。この前は白鵬(現・宮城野親方)の1強時代で、次は戦国の世だろうと思っていたけど、予想以上にしっちゃかめっちゃかになった。これはこれで味わって楽しまないと。

ヨネスケ:面白いですよね。朝青龍や白鵬のように7連覇されちゃあ、ファンも面白くない。次は誰が優勝するか予想がつかないほうが面白いよ。

やく:ただ、初場所で今後の方向性が見えると思います。戦国の世が収斂していくのか、まだ当分続くのか。霧島が横綱、そして琴ノ若が大関というアベック昇進があれば、一気に収斂するでしょう。逆にこの2人がまごまごしているようだと、戦国の世が続くでしょうね。

ヨネスケ:やはり横綱に出てきてほしい気持ちはあります。最近は国技館に行っても、横綱土俵入りがない。ボクたち落語の世界では、真打が休むと料金を安くするけど、相撲界はちゃんとお金を取るんだな、と(笑)。

父にも祖父にも似ていない

やく:霧島は九州場所では前半と後半の相撲が全く違いましたよね。後半は“こんなに強いんだ”と思いましたが、初場所も続くかどうか。

ヨネスケ:今の霧島はまだ大関相撲ですよ。昔から横綱相撲というのはやはり特別なもの。双葉山は一度も待ったをしたことがないし、受けて立つ立ち合いでいながら、“後の先”で自分有利の相撲に持っていった。そして、右四つの完成された型を持っていた。

やく:霧島はまだ体重がないですからね。九州場所でも押し相撲に2敗した。軽さを突かれるとまだつらいんです。そして、自分の絶対的な型がない。千代の富士の場合、上手を取ってブン投げていたのが、前褌を取って寄る相撲に変えたら途端に体重差を感じさせない安定した相撲になった。霧島も前褌を取り出したら大化けする可能性がある。

ヨネスケ:しかも、もともと同じ一門の寺尾(錣山親方)が亡くなって、恩返ししたいという発奮材料もあるよね。

やく:とはいえ、霧島の横綱昇進は相撲人気の起爆剤にはならないでしょうね。やはり“琴ノ若待ち”ということになる。

ヨネスケ:おとっつぁん(元関脇・琴ノ若、現・佐渡ヶ嶽親方)に似て顔もいい。女性ファンも増えますよ。あの体を生かせば、横綱相撲が取れる。

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