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【追悼】演歌の女王・八代亜紀さん “五八戦争”の最中に語っていた「結婚を考えた男性」との悲恋

歌手としてデビューした21歳の頃、結婚を考えていた男性がいたと明かした(時事通信フォト)

歌手としてデビューした21歳の頃、結婚を考えていた男性がいたと明かしていた(時事通信フォト)

 1月9日、「演歌の女王」八代亜紀さんが昨年12月30日に「急速進行性間質性肺炎」のため亡くなっていたことがわかった。73歳だった。大御所ながら飾らない人柄で多くの人に愛され、突然の訃報には多くの著名人から早すぎる死を悼んだ。

 八代さんは『舟唄』や『なみだ恋』などヒット曲を連発。特にお茶の間の注目を集めたのが、1980年に巻き起こった八代さんと五木ひろし(75)による「五八戦争」だった。当時、歌手にとって最大の栄誉であった「レコード大賞」を五木は『ふたりの夜明け』、八代は『雨の慕情』で激しく争った。ともに苦労人で、10代の頃から銀座のクラブ歌手として旧知の仲だったこともあって大きな話題になった。

 最終的には八代の「雨の慕情」が見事大賞に輝いたが、そんな賞レースの真っ最中だった年末、八代は分刻みのスケジュールの合間を縫ってTBSの楽屋で本誌『週刊ポスト』の取材(1981年1月9日号)に応じていた。恋多き女としても知られた八代さんは数々の熱愛でワイドショーを賑わせたが、この時のインタビューは知られざる恋を赤裸々に明かしてファンを驚かせた。

 記事のタイトルは、「私のいい人……喋ります」。

「とっても……つらかった」

 当時の八代さんはキャリア絶頂期。そのタイミングで恋愛遍歴を振り返った八代さんは、歌手としてデビューした21歳の頃、結婚を考えていた男性がいたと明かした。

〈二十一歳になったころ好きだったその人はとっても思いやりがあって、頼りがいのある人だった。女っていうのは恋をすると、その人との結婚をあれこれ空想してみるんです。相手の姓の下に自分の名前を書いてみたり……。でも結局、相手の立場、私の生き方を考えて、私の方から身を引いてしまったんです。とっても……つらかった〉

 現在進行形の恋愛について問うとこう答えた。

〈いまの恋のこと? 歌の文句じゃないけれど、“私のイイ人つれて来い”よ。しょっ中、惚れてはいるんですけど、うまくいかないのよね。だって私の年(三十歳)で惚れる男性となると、たいていの人が家庭持ちでしょう。もうこりごりだわ(笑い)〉

 それからも数々の恋愛を重ね、結婚・離婚も経験した。そのたびに歌は情感を帯び、人々の心に響いた。もうその歌声を聴けないのが悲しい。

※週刊ポスト2024年1月26日号

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