【能登半島地震ルポ】「家が全壊してるのに、そっとご飯を出してくれた…」震災直後の避難所で見た「能登はやさしや土までも」の精神
愛知県津島市から駆けつけた外国人ボランティアがチャイ、カレーを提供。「助け合いは大事。日本に住む私たちは様々なことに恵まれており、恩返しの気持ちで被災者を支援したい」(左端、パキスタン出身のレイス・アニースさん/輪島市)
朝市近くの輪島塗会館前で、被災者のために「能登牛すじカレー」の炊き出しをする田谷さんたち。避難所にも車で配達した(撮影/太田真三)
市内全域が断水している中、スーパー「アルビス七尾店」では富山県から物資を運び込み、商品の水を使って1日600杯以上の豚汁を振る舞った(七尾市)
断水した氷見市内で無料のおにぎりを配り、温泉・トイレを無料開放した「民宿あおまさ」の辻井隆雄さん・栄美子さん夫妻。栄美子さんはNHKキャスターを経て、祖父の民宿を継いだ
家族や親戚で早朝からおにぎりを仕込み、被災者たちに提供した。「無料配布を知った全国各地の方々からお米がたくさん送られてきて嬉しかったです」(栄美子さん)
民宿の広間を開放し、被災した人々におにぎりをはじめ、近所や友人から寄せられた料理、プリンなどのデザートも提供
穴水町で被災したドイツ人のアルチャ・ツゥーゼさん「地震は初めての経験。呆然としましたが、日本人はメンタルの切り替えが早い。ドイツだったら、3日間は悲しみに暮れて立ち直れないでしょう。避難所で『大丈夫』と言いながら物資を分け合い、協力して乗り越えようとする姿にも感動しました」
AIを活用した水再生・循環装置で稼働するシャワーセット。「1週間ぶりのシャワー、温かくて気持ちよかった」。単身・家族単位で利用できるため、プライバシーも保たれる(七尾市)
1度に100リットルの水で100人が利用でき、シャンプーも可能。5種類のフィルターで濾過するため、川やプールの水も使える。大阪の会社が支援活動で七尾市内の避難所を巡回した
お笑いコンビ「サンドウィッチマン」が宮城県気仙沼市に寄贈したトイレトレーラーが避難所の輪島市立鳳至(ふげし)小学校に到着。洋式水洗トイレ3基、ソーラー発電などを備え、リフト付きで車イスでも利用できる
「便座が温かく、綺麗で快適。涙が出そうなぐらい嬉しかった。仮設トイレは和式で数も少なく、段差があるため地震のたびに怖かった」(被災者の女性)
大規模火災で約200棟が燃え、約4万8000平方メートルが焼失した輪島朝市周辺。傾いた電柱、瓦礫が散乱する中を救出活動に向かう自衛隊員
輪島市内の全焼した自宅から、妻の使っていた裁縫用のはさみを拾い上げて見入る男性(時事通信フォト)
輪島朝市通りから海側に入った通りの先にある市姫社は、朝市の守り神様として親しまれてきた。地震で鳥居などが崩壊してしまった
輪島朝市入口、いろは橋のたもとにあった「輪島ドラマ記念館」。輪島を舞台にしたNHK連続テレビ小説『まれ』のロケセットなどが展示されていた
地震後、敷地内の『まれ』のケーキ型オブジェは焼けずに無事だった
積雪の予報のあった日、地震の影響が生々しく残る建物にブルーシートをかけて備える被災者(時事通信フォト)
穴水町の道路復旧の様子。同町では1~2日で修繕されている道路もあり、在住の外国人は「まるで魔法のよう」と対応力に目を見張った(写真/共同通信社)
石川県内の約6万6000戸で断水が続くなか、炊き出しに使う鍋を、雪を利用して洗う輪島市のボランティアたち
朝市の横で今月末にオープン予定だった完成間近の建設中の新ギャラリーは、足場だけを残して完全に燃え落ちた
1階が押し潰された工場の前で、見つけ出した輪島塗の器を手に復活を誓う田谷昂大さん(左)といとこの田谷竜一さん