両国国技館で開催されている大相撲初場所では、大関・霧島が横綱へ、関脇・琴ノ若は大関への昇進が懸かっており、ダブルで達成されるかに期待が集まっている。白熱の土俵が続くなか、着物姿で観戦する女性の姿が目立つ。相撲協会が和装デーを設けて特典をつけるなどしていることもあるだろうが、やはり相撲観戦に着物はよく似合う。
3日目には、落語家の蝶花楼桃花がピンクの着物姿で東の花道脇の溜席に座っていたことがネット上で話題になったが、同じ日の向正面の溜席に登場した着物女性も相撲関係者の間で注目を集めた。この着物女性は、11月の九州場所では控え行司のすぐ隣の溜席に毎日違う着物で15日間通い続け、「着物美人」としてネットニュースに取り上げられるなどしてきた女性だ。初場所3日目は彼女も鮮やかなピンク色の着物での観戦となった。
関係者の注目を集める「着物美人」は、両国国技館では九州場所と違って西の花道に面したマス席に座っていることで知られており、今場所も初日は西の花道のマス席で濃紺の着物姿が見られた。西支度部屋から土俵に向かう力士に拍手で送り出し、相撲を終えて花道を引き揚げる力士には身を乗り出して拍手を送っていた。
それが、3日目は向正面の溜席5列目に突然姿を見せたわけである。NHKの大相撲中継の画面では左上方に映り込み、ピンクの着物に白と黒の帯がひときわ目立っていた。これまで、国技館では西花道に面したマス席が指定席で、溜席で姿を見たことがなかったが、一体どういう経緯があったのだろう。
打ち出し後、国技館を後にする着物美人に声を掛け、「なぜ、いつもの西の花道のマス席ではなく、溜席に?」と尋ねると、こう答えが返ってきた。
「(3日目に座った)あの溜席も昔から持っているんです。以前は、溜席は飲食ができないと人気がなかったので、私や家族が座っていました。それが最近はテレビに映るというので座らせてほしいという方が多く、ここ何年かは知人が使っています。そういうこともあって私は西の花道のマス席に座っていますが、今日は知人の都合が悪いとかでたまたま座ることになりました。やはり溜席から見る相撲は最高ですね。今場所はまたあの席に座る機会があると思います」