オフに突如、ポスティングでのメジャー移籍を直訴したロッテの佐々木朗希(22)。2024年シーズンの渡米はなくなったが、初めて契約更改を越年するなど尾を引いている。その佐々木には“意中の球団”があったと囁かれているという。スポーツ紙デスクが語る。
「大谷翔平(29)、山本由伸(25)の移籍が決まったドジャースです。そもそも佐々木が急にメジャー志向を表明したきっかけは、大谷や山本、ダルビッシュ有(37)らメジャーリーガーと共闘した昨年のWBCとみられています。昨年10月、ドジャースの編成本部長が山本を視察した際、同時に佐々木へのアプローチもあったと言われている。ドジャースにとっても、手に入れたい人材であることは間違いないので“相思相愛”と言えるでしょう」
ただし、ポスティング移籍は球団の容認が条件となる。ロッテにとっては首を縦に振りにくい状況がある。
「メジャー球団が海外選手を獲得した際、25歳未満だと契約金が低く設定される“25歳ルール”の壁があります。契約金が低くなると、日本の球団が手にする譲渡金も抑えられる。
山本は今年26歳になるためオリックスに5000万ドル(約72億円)が支払われたが、佐々木が25歳未満で移籍すれば、ロッテへの譲渡金は5000万円程度になってしまいます」(スポーツ紙記者)
金銭面に加え、佐々木はロッテでまだ十分な活躍をしたとは言い難い。
「完全試合などの印象は鮮烈だが、実働3年の成績は19勝10敗。一度も規定投球回に達していない。中4日での登板を求められるメジャーには時期尚早と考えられる。現役時代にメジャーのマウンドも経験した吉井理人監督(58)は、佐々木に今季、中6日で150イニングのノルマを課していますが、球団は成績での貢献も求めているでしょう」(同前)
壁は高いが、メジャー事情に詳しいスポーツジャーナリストの友成那智氏はこんな見方をする。
「佐々木が“今すぐ”に移籍を直訴したように言われていますが、実際は25歳になる3年後を見据えてのアピールでしょう。菊池雄星(32)も早くから訴えていたし、2024年オフのメジャー移籍を希望している西武の高橋光成(26)も2年前からアピールしていた。
ドジャースは故障歴のある投手の扱いがうまい球団です。選手層が厚いので、佐々木のような繊細な投手でもうまく起用できる。大谷、山本と“日本人トリオ”はウリになりますし、実現の可能性は十分あるのでは」
日本でしっかりと実績を残して念願の移籍を果たせるのか。これからが正念場だ。
※週刊ポスト2024年1月26日号