大相撲初場所では、大関・貴景勝が「頚椎症性神経根症」の診断書を出して4日目から休場となった。3月場所は自身8度目のカド番で迎えることになるが、それに先立つ2月に貴景勝が控える“イベント”について心配する声も聞こえてくる。
「場所後に開催できるのかなぁ」
不安げにそう話すのは、貴景勝の後援者のひとり。貴景勝は、初場所後の2月18日に元大関・北天佑の次女である妻と、都内のホテルで結婚披露宴を挙げることになっているのだ。
昨年の九州場所後の11月末には後援者たちに案内状が送られており、座る席が決まった正餐であると案内されている。700~800人規模のパーティーになるとみられているが、相撲界では、休場した力士は予定していたイベントなどは取りやめたり、外出を自粛したりするのが暗黙のルールとなっている。それゆえ、前出の後援者も不安げなのだ。
ただ、横綱・照ノ富士が2022年10月に横綱昇進披露パーティーを開催した際は、その直前の9月の秋場所を両膝のケガで途中休場している。そうした前例を踏まえ、相撲担当記者はこう解説する。
「結婚披露宴や昇進パーティーは会場を抑えて早くから準備もしており、簡単には中止できない。照ノ富士は秋場所を休場したものの、場所後に行なわれた引退相撲や巡業には参加している。これが“公務復帰”とみなされた格好でした。
2月は巡業のない月ですが、場所後には栃ノ心の引退相撲(2月4日)やNHK福祉大相撲(2月10日)、大相撲トーナメント(2月11日)などのイベントがある。貴景勝は“2週間程度の安静加療”という診断だから、どこかのイベントに顔を出して、披露宴に臨むことになるのではないか」
当然ながら、誰であっても昇進パーティーや結婚披露宴といったイベントには直前の本場所で好成績を残して臨みたいもの。しかし、なかなかそううまくはいかない。正代は2022年10月に大関昇進パーティーが決まっていたが、直前の秋場所は2日目から9連敗。早々に負け越しが決まったが、千秋楽まで取り続けてカド番で昇進パーティーを開催している。二所ノ関一門の関係者が言う。
「かつては場所後にイベントがある力士には祝儀場所として星を譲るのが当たり前だった時代もあったそうですが、今はガチンコ全盛ですからね。正代の昇進パーティーには予定を大幅に下回る400人しか集まらなかった。ただ、カド番でお祝いムードになりにくいとはいえ、貴景勝が開くのは結婚披露宴ですからね。引退後の資金集めみたいなものなので、タニマチは祝儀を持って出席することになると思いますよ」