「ヨガの母」「宇宙の母」という意味を持つ「ヨグマタ」。ヨガのマスターとして与えられた尊称を持つ相川圭子さんが読者のお悩みに答える、週刊ポストでの人生相談連載。第8回目の相談はこちら──。
Q:運転免許のことで悩んでいます。18歳で免許をとってから、大きな事故を起こしたことはありません。ただ最近、高齢ドライバーによる事故のニュースを見る度、自分も危ないのでは? と思うようになりました。地区のスーパーは配達もしてくれるし、歩いて10分のバス停は30分に1本はバスがきます。それでも通院などの利便性を考えるとなかなか決心がつきません。返納すべきでしょうか?(79歳・無職)
頼ることを情けないと恥じる必要はありません 免許の返納は新たな生き方のきっかけになるはず
A:利便性を考えて迷うなら、免許は返納されるのがよいと思います。運転が不安になる年齢になったというならばなおさら、危険な場面に直面する前に手放してしまうことです。
車を運転できなくなると、生活に不自由を感じる場面もあるでしょう。ですがスーパーまで歩いて行けば、足腰がまだ丈夫なことをありがたいと感じられます。今まで見逃していた道端のかわいらしい花に出会えるなど、思いがけないときめきが待っているかもしれません。小鳥のさえずりに癒されながら散歩を楽しめば、心身も健やかに整います。
そうやって自然を愛で、大地を踏みしめ、今生かされていることに幸せを感じる機会が得られるのです。
何もかも自分でしようと気負わず、時には人の助けを借りることも必要ですよ。今までずっと懸命に生きてきたのですから、まわりに甘えても、いいではないですか。気楽に運転や買い物をお願いすればいいのです。頼ることを情けないと恥じる必要はありません。
そうした交流を通じ、年長者の手伝いに喜びを感じる若者が地域に増えるかもしれない。彼らの生き方も磨かれ、思いやりの輪が社会に広がります。あなたは感謝を持って、その思いやりを受け取りましょう。
便利な車生活から不自由な生活は自然に戻ることになり、「足は、歩いて血行が良くなる」「心は人に愛を配り、感謝するために使うんだ」と、いい行為で生命力が満ちてくるでしょう。気付きを重ねて意識が進化し、すべてに感謝して丁寧に暮らすようになる。免許の返納が生き方を新たにするきっかけとなるのです。
生き方が変わったらマインドも見直します。「まだ運転ができる」「私は若い」と人との比較で価値を見出そうとせずに、ありのままのあなたで堂々と立つ。免許を失おうと、肉体が衰えようと、内から豊かさが湧き出してくるような本質的な輝きを、これからは大切に育んでほしいと願います。
【プロフィール】
相川圭子(あいかわ・けいこ)/女性で史上初めて「究極のサマディ(悟り)」に達した、現在世界で会えるたった2人のヒマラヤ大聖者の1人。5000年の伝統をもつヒマラヤ秘教の正統な継承者で、2007年にはインドスピリチュアル協会から最高の聖者の称号「マハ・マンダレシュワル」を授かる。2016、17年には国連本部で主賓として平和のスピーチも行なった。TBSラジオ『相川圭子 幸せへのメッセージ』にレギュラー出演中。著書は累計100万部を超える。
協力:サイエンス・オブ・エンライトメント https://www.science.ne.jp/
※週刊ポスト2024年2月2日号