スーパースター・大谷翔平(29才)からのグローブのプレゼントが、全国の小学校に行き渡り始めている。目を輝かせる児童たちの一方で、大事なプレゼントを預かる教師たちのなかには頭を抱える人も。メジャーMVPも想定外だった、学校現場の事情とは──。
「『大谷選手からのお手紙もついているんだって!』と、うちの子供が大谷選手寄贈のグローブが学校に届いたことを興奮気味に話してくれました」
そう語るのは、都内の小学校に子供を通わせる保護者。だが、その表情はちょっと複雑だ。
「先生がたとお話しすると、どうやって使用していくのか、まだ決まっていない部分が多いのだとか。正直、ルール作りに苦慮しているようでした。うちの子が通う学校は各学年5クラスの大所帯なので、平等にみんなで使うのは難しいですよね……。使い方はまだ決まっておらず、まずはクラスごとに回覧する計画のようですが、うちの子もまだ実物は目にしていないようです」(前出・保護者)
全国約2万の小学校に3個ずつ、金額に換算して約6億円の太っ腹なプレゼントとして話題になった大谷翔平からの「寄贈グローブ」。左利きの子供もキャッチボールができるようにと、右利き用2個と左利き用1個を贈る大谷の“気配り”には列島から称賛の声が上がった。昨年末から次々と全国の小学校に届き始め、歓迎ムードは高まるばかりだが、その陰では、密かに懸念も広がっていた。
グローブの配布が発表されたばかりの昨年11月、お笑い芸人の小籔千豊(50才)は出演する『旬感LIVE とれたてっ!』(カンテレ)で、「いらん心配」と前置きしつつ、次のようにコメントした。
「上級生が下級生に『おーい貸せやー』とか、『家で使いたいから持って帰っていいですか』とか言って、返ってけえへんとか。悪い大人もいますから、盗難の可能性もある」
管理の難しさや平等に使うことの難しさを予見してみせたのだ。ニュースでは子供たちの喜ぶ様子が報じられ、小籔の警鐘も杞憂に終わりそうかと思われたが……。実際は、冒頭の小学校のように、現場の教師たちが頭を悩ませている。
「うちの学校の校庭は、そもそも野球は禁止なんです。危ないですからね。バットの持ち込みはもちろん、基本的にキャッチボールもできません。放課後も学童保育に行く以外は、学校に残ってはいけないルールで、校庭では遊べない決まりになっています。
どうやって子供たちに大谷選手のグローブを使ってもらえばいいか、職員の間で話し合っていますが、結論はまだ出ていません。このままでは大谷選手のグローブでは野球ができないという事態になりかねない……」(都内の小学校教諭)
こうした“野球NGルール”のある学校は、東京だけでなく千葉や神奈川など、首都圏に見受けられるという。
「休日に校庭開放があり、軟らかいボールでのキャッチボールならば認めている地域もあります。ただ、例えば東京の板橋区ではキャッチボールとサッカーの時間を設定していますが、時間は1時間限定と制約が多いのが現実です。校庭開放で使用する場合、グローブの管理をするために教師たちの目が必要になりますが、休日までつきあわせるのは現実的ではないでしょう」(東京都の教育関係者)
さらに、大谷寄贈のグローブに付属するタグや同封された手紙がフリマサイトに出品されるという“事件”も報じられた。