ライフ

20代中国人女性の脂肪吸引死亡事故、在韓中国大使館がSNSで注意を喚起


在韓中国大使館がWechatのSNSで注意を喚起(写真/アフロ)

在韓中国大使館がWechatのSNSで注意を喚起(写真/アフロ)

 韓国の美容外科で行われた脂肪吸引の結果、20代の中国人女性が死亡したことが、韓国の報道各社によって2024年1月11日に報じられた。

 韓国の美容外科で起きたこの死亡事故も含むトラブルを受けて、在韓中国大使館がSNSで注意喚起している。

20代の中国人女性が死亡

 韓国の報道によると、韓国の江南美容外科で行われた脂肪吸引により、20代の女性が手術後1カ月で死亡した。1週間で3回の脂肪吸引を受けたところ、激痛を訴えて大学病院に転院。全身の血液に細菌が増える敗血症で死亡した。

 こうした韓国での美容医療での事故を受けて、在韓中国大使館では1月19日、WechatのSNSアカウントで注意喚起を出した。

 「近年、多くの外国人が美容整形のために韓国を訪れており、中には医療紛争や手術の失敗、さらには死亡事故に巻き込まれるケースもある。在大韓民国中華人民共和国大使館は、美容整形のために韓国を訪れる中国国民に対し、以下の事項に注意するよう呼びかけたい」

 これは2023年3月にも同大使館から発信されたものである。報道によれば、継続的に韓国で中国人が美容医療に関連した事故に巻き込まれている。

広告を信じすぎないこと

 中国大使館が出している注意点は次の通り。これは日本人が韓国に渡って美容医療を受けるときには参考になるだろう。

・広告を信じすぎないこと → 広告の誇張された条件や割引に惑わされず、手術のリスクや合併症についてきちんと理解し、客観的で合理的な判断をすることが大切。

・仲介業者の選択を慎重にすること → 仲介業者を利用するときは、その資格を確認し、権利と義務をはっきりさせること。不法な仲介業者には注意が必要。

・正規の医療機関とプロの医師を選ぶこと → 韓国形成外科学会のウェブサイトで病院の登録状況や医師の専門性を確認し、怪しい施設や不適切な手術から身を守ること。

・診断と治療のためのプロセスを厳格に管理すること → 手術前には正式な契約を結んで、執刀医、手術の結果、契約違反時の責任、紛争解決方法を明確にすること。大事な文書はしっかり保管することも重要。

・医療紛争が起きたときの対処法 → もし紛争が起きた場合、病院と交渉したり、韓国医療紛争仲裁院を通じた仲裁、法的手続きを含む適切な方法で自分の権利を守ること。

・出国時の注意事項 → 手術後に外見が変化したり回復過程の影響がある可能性があるので、出国時には手術証明書を携帯することが重要。

 ヒフコNEWSでは、メディカルツーリズムについての注意点をこれまでも伝えているが、日本人の渡航先としても人気のある韓国においても事故が起きている状況を理解し、慎重に検討することが重要だ。

参考文献

강남 성형외과서 지방흡입수술 뒤 사망…경찰 수사

강남 성형외과서 지방흡입 받은 中 여성 사망…경찰 수사

爱美之心人皆有,美容整形须谨慎

爱美之心人皆有,美容整形须谨慎(中国驻韩国大使馆2024-01-19)
Wechat

韓国13の医療機関を認証、メディカルツーリズム受け入れ医療機関、美容医療ではJK美容整形外科

メディカルツーリズムの注意点 Vol.1 「米国美容協会が示す渡航先や医療機関の確認ポイント」

メディカルツーリズムの注意点 Vol.2 「米国美容協会が示す海外で美容医療を受けるに際しての注意点」

メディカルツーリズムの注意点 Vol.3 「美容整形手術では手術後までを考えた計画が重要」

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
高市早苗・首相はどんな“野望”を抱き、何をやろうとしているのか(時事通信フォト)
《高市首相は2026年に何をやるつもりなのか?》「スパイ防止法」「国旗毀損罪」「日本版CIA創設法案」…予想されるタカ派法案の提出、狙うは保守勢力による政権基盤強化か
週刊ポスト
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
米女優のミラーナ・ヴァイントルーブ(38)
《倫理性を問う声》「額が高いほど色気が増します」LA大規模山火事への50万ドル寄付を集めた米・女優(38)、“セクシー写真”と引き換えに…手法に賛否集まる
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン