ビジネス

ついに経済産業省が指定メディアから除外 「フロッピーという時代」が終わろうとしている

フロッピーディスク 3.5インチ(イメージ、CTK/時事通信フォト)

フロッピーディスク 3.5インチ(イメージ、CTK/時事通信フォト)

 仕事だったりプライベートだったり、記録を誰かに渡すとき、どんな手段をとるだろうか。かつては紙に、今なら、クラウドにデジタルデータとして残してリンクを送信する。その少し前によく利用され、多くの行政手続きの際に記録媒体として指定されてきたフロッピーディスクが、ようやく役目を終えようとしている。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、1970年代に登場、1980年代の普及期を経て、長らく記録媒体として重宝されてきたフロッピーディスクが現在まで使われてきた現場の声をレポートする。

 * * *
「フロッピーってなんですか」

 社会科の授業、この言葉をきっかけに、筆者は子どもたちにフロッピーディスクの現物を持って行った。もう親御さんのもとにもほとんどないのだろう。3.5インチの2DDと2HDに5インチ(2HD)、8インチ、さらに3インチ(筆者がシャープのパソコン、X-1Dに使っていたもの、他社でも一部採用されたがかなり特殊)に磁気ディスクの歴史、ということでクイックディスク(これもシャープのパソコン、MZ-1500用。のちファミコンのディスクシステムにも採用)とSRAMカード、それにMOディスクも持っていった。

 専門誌ではないので個々の説明はともかく、いまではいずれも社会的には(業界および界隈、マニアはともかく)主流ではなくなった記憶媒体だ。現代の子どもたちの多くはフロッピーを見たこともない子もいれば、その存在すら知らない子もいる。

 実機で読み込ませることはなかったので期待ほどには興味を示してもらえなかったが、2DDの記憶容量がおおよそ720KBという説明は一部の物知りや「親が持ってる」という子から笑ってもらえた。元のサイズや設定にもよるが、いまや1MBもないのでは現行のスマホで撮った素のデジタル写真1枚すら入らないかもしれない。

 しかし、いまだにこの「フロッピーディスク」の使用指定をしてきた国の機関がある。例えば経済産業省である。デジタル庁ができてしばらく、令和の世になっても使用メディアとしてフロッピーディスクは指定されてきた。それが1月22日、「指定する規制等の見直し」として改正、ついに廃止となった。

セキュリティとして有用だったフロッピーディスク

 筆者も数年前、有限責任事業組合の申請で面食らったことがある。もちろんCD-ROMで記録したものでもOKとのことだったが、いまだにフロッピーディスクも記録媒体として指定されていた。

いまや、多くのパソコンにCDドライブどころかDVDドライブすら外付けで買わない限り付属しない時代、フロッピーディスクを読み込むフロッピードライブに至ってはまず付いていない。そもそもWindowsにしろmacにしろ、最新OSではフロッピーディスクを導入したとしても認識しないケース(あくまで一般的な使用事例として)がある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン