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【山口智子インタビュー】YouTubeを始めた理由「いまのテレビは大人が楽しめるエンタメが形になりにくい。ならば面白い映像を自力で作ればいいんだ」

山口智子

山口智子にインタビュー

 1988年に『純ちゃんの応援歌』でデビューして以来、“女性が憧れる俳優”として、その折々で注目を集めてきた山口智子。彼女は今年10月に還暦を迎える。還暦イヤーが幕を開けたいま、彼女は何を思い、どこへ向かうのか? 私たちの質問に一つひとつ率直に、自分の言葉で答えた本音100%のロングインタビュー。【全3回の第1回】

 部屋に入ってきた彼女は、開口一番「エアコンの風、強くないですか?」と私たちスタッフを気遣う。そして、「照明も明るすぎない? 自分の中で“美しい暗闇復活委員会”を立ち上げているので(笑い)、明るすぎる無機質な蛍光灯の光は好きじゃない。もっとほの暗い光の方が、居心地がいいでしょう?」とリモコンを探す。山口智子の柔らかい笑顔と率直な言葉に、引き込まれてしまった。

 席についた山口に、恐縮しながら「年齢のことを伺うのは大変失礼なのですが……」と切り出すと、「なんで? 全然大丈夫です! もうみんなに言い回ってますよ。還暦を迎えることがむちゃくちゃ楽しみです」と、面食らうほど意外な返事が返ってきた。

「唐沢(夫・唐沢寿明)が昨年6月に還暦を迎えたので、もう自分も一緒に迎えたような気持ちになってます(笑い)。

“還暦”の意味を調べたら、『十干十二支が一巡りし、もう一度生まれ変わる記念すべき年』なんですよね。とても素敵な節目だと思って。私も還暦のパワーを借りながら、新鮮な気持ちで人生の新たな一歩を踏み出したいと思っています」(山口・以下同)

 年を重ねると、体の衰えなど、つい失ってきたものばかりを数えて暗くもなるが、山口はそんなふうには思わないのだろうか。

「だって、自分が歩んできた60年は誰も真似できない宝物なわけで、これまでの経験や思い出がどんどん積み重なっていく喜びたるや、若い人たちに『自分ならではの年を重ねる時間は最高!』と自慢したいくらい、うれしくてたまらない。知力、体力ともに、いまが人生で最高潮に充実している手応えを感じます」

 けれん味のない言葉に、ハッとさせられる。

限りある時間の中で私は嘘のない勝負をしたい

 還暦を前に、新しく始めたことがあるという。それが、昨年8月に開設した日本の旅を綴るYouTubeチャンネル『山口智子の風穴!?』だ。

「原点回帰というか、まっさらな気持ちになって、いまの自分がいちばん心ときめくものは何か、出会いたい人は誰かを考え、その心の声に素直に従ってみようと思っています。

 自分の心の澱みや滞ったしがらみを、禊ぎをするようにザバッと洗い流し、身ひとつで出直したい。そう決意して、いちばん苦手分野だったYouTubeにトライしてみました」

 これまでの山口にとって、YouTubeへの挑戦は考えられないことだという。

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