18才でお笑いコンビ「とんねるず」を結成。40年以上にわたって、笑いの世界に新風を巻き起こしてきた“ノリさん”こと木梨憲武(61才)。1月15日から始まった新ドラマ『春になったら』(フジテレビ系)では24年ぶりの主演を務めるほか、1月26日には初の自伝『みなさんのおかげです 木梨憲武自伝』も発売される。そこで本誌『女性セブン』は、還暦を過ぎてもなお、エネルギッシュに活躍を続けるノリさんに密着! 木梨流“人生後半戦の楽しみ方”に迫った!!
朝7時30分、栃木県某所でドラマのロケが行われると聞き、早朝から待ち構えていた本誌取材班。すると、
「こんなところまで来たの? 寒いから早く帰んなって」(木梨・以下同)
と言いながら、笑顔でやってきたノリさん。密着への“イジリ”も欠かさない。集合時間よりも30分早い到着。片手には台本を握りしめている。久々のドラマ主演に緊張し、早く現場入りしたのかと思いきや、
「いやぁ〜、ジジイだからさ、夜は21時くらいに寝て、朝は3時くらいに目が覚めちゃうんだよね」
と余裕を感じさせた。
バラエティーとは勝手が違うけど……
この日の撮影は、『春になったら』第3話の遊園地でのエピソード。1シーンを撮影するのに1時間以上をかけ、出演者は10回以上、同じ演技を繰り返す。
「現場に台本を持ってきているの俺だけなんだよね。せりふは覚えたかって? いや、これから(笑い)。でも奈緒ちゃんが俺のせりふまで覚えてくれているの。ダメなお父さんです、ハイ」
と言いつつも、完璧に演技をこなすノリさん。現場を活気づけるためか、第一声は特に大きく声を張る。
「ドラマ出演は久しぶりというより初めてに近いイメージ。俺以外みんなプロだから安心だけどね。ドラマは1シーンを撮るのに遊園地を貸し切って、スタッフやエキストラを100人以上動員して、丁寧に作っている。頭が下がるよ」
バラエティーは、複数のカメラでさまざまなアングルから出演者の“おもしろい瞬間”を切り取る。一発勝負だからアドリブが生きる。ドラマとは真逆の世界だ。
「俺は自由演技(アドリブ)で勝負してきたから、ドラマでもいろいろやってみるんだけど、同じアドリブを何度もやるのってシュールでしょ。だから今回は、監督の誘導に乗っかるかんじ。それもおもしろいね」
慣れないことも楽しむ。そして、現場を盛り上げていい雰囲気を作る。それが還暦を迎えた“俳優・木梨”の仕事の流儀のようだ。
◆ドラマ『春になったら』(フジテレビ系/毎週月曜22時放映)
3か月後に結婚する娘・瞳(奈緒)と、すい臓がんで余命3か月の宣告を受けた父・雅彦(木梨憲武)が、それぞれ、「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していくハートフル・ホームドラマ。 [出演]木梨憲武、奈緒、濱田岳、小林聡美、深澤辰哉ほか。脚本はNHK大河ドラマ『龍馬伝』などを手掛けた福田靖さんのオリジナル。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2024年2月8日号