芸能

年が明けても次々と有名人が亡くなっていく…高田文夫氏が振り返る 南部虎弾さん、高橋春夫さんとの思い出

同年代の仲間たちの近況について(イラスト/佐野文二郎)

同年代の仲間たちの近況について(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、同年代の仲間たちの近況について綴る。

 * * *
 年があけても次々と亡くなっていく有名人。この男こそ不死身だろうと思っていた“電撃ネットワーク”のリーダー南部虎弾も他界した。

 その前は“ダチョウ倶楽部”のリーダーで芸の方向性が違うところからリーダーがクビを切られるという面白いケース。亡くなった上島竜兵が初めて南部に会った時、いきなりきかれた第一声が「上島クン? 君はビー玉何個飲めるの?」。やな質問だったとしみじみ。

 過激なパフォーマンスで世界を駆けめぐり、この時、外国でも芸風が分かりやすいようにとデーブ・スペクターが“TOKYO SHOCK BOYS”と名付けて大当たり。コンプライアンスなどとうるさく言わなかった時代に電撃は生きたサソリを口の中に入れる「サソリ男」やら布団圧縮袋に入って空気を抜く「布団圧縮袋即身仏」「人間ポンプ」など荒技の数々で喝采を浴び、よい子はけっして真似をしないよう注意された。

 いくつも病気を持っていて満身創痍の最期だった。リーダー、おつかれさま。

 大きくは報じられなかったが漫画家の高橋春男が亡くなっていてショック。私の出版物やら連載もの、イラストを描いてもらう相方のような存在は初期は日暮修一、小槻さとし、そしてナンシー関とも長いことバディとなってもらいその次が当時「週刊文春」の「いわゆるひとつのチョーさん主義」などで人気を博していた高橋春男といくつもの連載を持った。

 持って生まれた天然ボケのユーモラスさと気の小ささを隠すサングラス、よく飲みに行ったっけ。山藤章二氏を宗匠に毎月のように開いていた俳句の「駄句駄句会」メンバーでもあった。玉置宏、松尾貴史、林家たい平、立川左談次、私ら全員から「はるおちゃん何やってんだよ」とつっこまれいじられていた。たしか30年間近く続けた。

 ある日ピタッと姿を消し、連載も勝手に止め、まったく音沙汰がなくなりいきなりの訃報。寂しいものだ。その分、今はこのイラストの名手佐野文二郎クンがつきあってくれている。長生きしてくれ。

 亡くなった人の話ばかりでは申し訳ないので、先日は放送作家の同業者でもあった「高平哲郎の喜寿の会」が開かれ、なつかしい顔ともいっぱい再会できた。

 私の周りの席は隣が「WAHAHA本舗」主宰の喰始、前がフジテレビのレジェンドディレクター、同期の三宅恵介らで楽しいひと時。100人位集まったか。「立食じゃないんだネ」に三宅「来た客全員15分以上立ってられないというんで」だとアハハ。

※週刊ポスト2024年2月9・16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン