元日の16時10分に能登半島を襲った最大震度7の大地震から、1か月が経過した。いまだに石川県では旅館やホテルの「二次避難所」を含めて、1万4000人以上が避難生活を送り、広い地域で断水が続いている。
しかし、地震直後は約4万戸に及んだ停電が1月末にはほぼ解消された。寸断されていた道路もつながり始め、ボランティアの受け入れも開始。各地から移動販売や洗濯機を搭載したランドリーカー、トイレトレーラーが届く。復興へ長い道のりではあるが、一歩ずつ、確実に前へと進んでいる。
本来は1月9日に行われるはずだった珠洲市の小中学校始業式は、11日から少しずつ再開され始めた。珠洲市立緑丘中学校の生徒たちは、亀裂が入ったままの地面を歩き、登校している。
自主避難所になっている七尾市立石崎小学校では、仕切りの段ボールに避難者たちが寄せ書きをした。「負けないぞ」「乗り越えましょう」という前向きな言葉が、胸に迫る。
金沢市民の台所であり、週末になると約3万人の観光客が訪れていた「近江町市場」。地震直後は人通りもまばらだったが「応援したい」と、徐々に買い物客が戻ってきた。
親善都市の香川県丸亀市は、七尾市で名物讃岐うどんの炊き出しを実施した。厳しい冷え込みの中、集まった被災者たちは笑顔で舌鼓を打った。
きょうだい校の山梨キャンパスに避難中である、輪島市・日本航空石川高校に届いたのは、選抜高校野球大会出場の吉報。笑顔で勝利を誓った。
断水が続く七尾市の美容院では、電気ケトルで沸かした井戸水を電動ポンプ付きの簡易シャワーで営業を再開。久しぶりの散髪に「リフレッシュできた」と涙を浮かべる人も。
降りしきる雪のなか、輪島市の土砂崩れ現場では安否不明者の捜索が続く。1月28日時点で、石川県で19人の行方がわかっていない。
1月27日、運航を取りやめていた能登空港で旅客便が運航再開。羽田空港では能登空港行きの乗客に全日空スタッフから水が配られた
※女性セブン2024年2月15日号