大勢の人が父親との別れを惜しむ光景を、猿之助は直接目にすることはなかった──。昨年11月に両親への自殺ほう助の罪で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた市川猿之助(48)。歌舞伎界でも前代未聞の事件を起こしてしまった猿之助は、すでに身辺の整理をすすめ、元いた場所へと戻りつつある。
1月28日、猿之助の父・四代目市川段四郎さん(享年76)と、猿之助の伯父にあたる二代目市川猿翁さん(享年83)を偲ぶ会が、都内のホテルで行われた。約700人の参列者の中に猿之助の姿はなかったが、同会終了後に取材に応じた猿翁さんの息子の市川中車(香川照之、58才)は猿之助の近況に触れ、
「父(猿翁さん)から四代目(猿之助)に伝わったことを、團子に役者として伝えていく作業をしていただいています」
と、説明。2月から上演されるスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』に出演する中車の長男・市川團子(20才)に対して、公演に関するアドバイスをしていることを明かし、猿之助が早くも“歌舞伎界復帰”を果たしていることが分かった。
昨年8月、都内の大学病院を退院した猿之助は、自殺ほう助の「事件現場」となった自宅へと戻った。ところが昨秋以降、猿之助の姿は見かけられなくなり、代わって叔母夫妻と思われる老夫婦が、留守を預かっているという。
猿之助は、2000点を超える浮世絵や、北大路魯山人の作品など、総額2億円はくだらないといわれる骨董品のコレクターだ。
「事件の影響で公開延期になった映画などがあり、多額の賠償金が必要になると囁かれています。懇意にしている東京と京都の骨董品店にひとまず預けており、徐々に処分していくようです」(芸能関係者)