芸能

今こそ問われる“地上波テレビの報道番組”の価値 テレビプロデューサーが厳選した「深い解説にうなる」報道・ドキュメンタリー番組

“地上波テレビの報道番組”の価値とは(左から大下容子アナ、安住紳一郎アナ/時事通信フォト)

“地上波テレビの報道番組”の価値とは(左から大下容子アナ、安住紳一郎アナ/時事通信フォト)

 昨年、旧ジャニーズ事務所の問題で検証番組を放送するなど対応に追われたテレビ各局だが、年初から能登半島地震や羽田空港の航空機衝突事故などが相次ぎ、地上波の報道番組・ドキュメンタリーの価値が改めて問われている。テレビプロデューサーでライターの鎮目博道氏が語る。

「今の時代は速報性でいえばネットニュースのほうが速く、内容は新聞、雑誌、ウェブメディアなどのテキストニュースのほうが深い。それでもテレビでニュースを観るのはテレビの強みである中継・取材網や信憑性の高さがあるからで、それを基準に番組を選びます」

 鎮目氏が「今、一番観る価値がある」と推すのは『大下容子ワイド!スクランブル』(テレ朝系)だ。

「最大の長所は、ひとつのテーマをどこまでも深く解説すること。特に海外のニュースに強く、ロシアや中東など紛争中の国はもちろん、中国の若者の失業率から小国の内部事情まで、他の番組には絶対できない深さまで掘り下げます。他では見ないような極めて専門的なゲストによる解説も骨太で非常に見応えがあります」(鎮目氏・以下同)

 ニュースの制作に携わる鎮目氏も“そうだったのか”と驚かされるニュースが出てくるという。

「聞いたところによると、外務省の役人たちも国際情勢など詳しい解説が多いので、この番組に注目しているそうです」

 続けて勧めるのは『情報7daysニュースキャスター』(TBS系)で、ニュース番組としてのバランス感覚や特集の作り方を高く評価している。

「週末は各局に1週間の出来事を振り返る番組がありますが、同番組は視点が一番しっかりしていて内容に偏りがなく、硬軟織り交ぜられています。1週間の動きを押さえたいなら、この番組を観れば間違いありません」

 MCの三谷幸喜と安住紳一郎の掛け合いに加えて、コメンテーターの人選も抜群だ。

「医学的なことを取り上げる時は東大薬学部教授が解説したり、『ウォール・ストリート・ジャーナル』東京支局長が出演したりして海外からの視点も押さえている。内容にも信頼がおけます」

『日経スペシャル 60秒で学べるNews』(テレ東系)は各テーマについて記者や専門家が60秒に凝縮した「まとめ解説」をする番組だ。

「報道番組は知識や興味がないとわからないことが多いですが、この番組は多面的にわかりやすく解説してくれるので、とっつきやすい。しかもテレ東の番組のため経済的な側面もしっかり扱い、それなりに専門知識がある人が観てもタメになる。最近では『台湾の総統選の裏側』をMCのウエンツ瑛士さんが現地で取材し、『親中vs反中』という単純な構図ではとらえきれない実情に迫った回が白眉でした」

関連記事

トピックス

タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)
《劇場型の特殊詐欺で深刻な風評被害》実在の団体名を騙り「逮捕を50万円で救済」する手口 団体は「勝手に詐欺に名前を使われて」解散に追い込まれる
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン