なぜ、こんな結果に終わってしまったのか──わずか1年2か月前。サッカーW杯カタール大会で、強豪ドイツとスペインを破り、世界に名を轟かせた男子サッカー日本代表が2月3日、AFCアジア杯カタール大会の準々決勝でイランに1対2で敗退。優勝候補との前評判には程遠い、ベスト8で終戦した。
前半28分には、順調にMF守田英正(28才)が先制ゴールを上げるも、後半10分に同点にされると、ずるずると劣勢を強いられて、アディショナルタイムにはPKを与えて逆転負けを喫した。
試合直後からSNS上では、惜敗を嘆くよりも、「後半はとても勝てる雰囲気じゃなかった」、「負けて当然の内容」と、手厳しいコメントだらけ。また、1月31日にデイリー新潮に性加害疑惑が報じられたMF伊東純也(30才)が、2月2日に日本代表を離脱したことに絡めて、「#週刊誌のせい」までトレンドワードになるほどに、大荒れした。
ただ、伊東スキャンダルなどの外的要因に注目が集まる一方で、チーム内では、別の敗因を自覚する選手が多いのが、内実だ。
あるスポーツ紙記者は「DFリーダーの冨安健洋選手(25才)が指摘したのは『コミュニケーション』と『勝利への執着心』でした」と振り返る。
「勝ちへの執着心が本当に足りなかったです。良くない時に声を出すだったり、DFだったらボールを奪って、攻撃陣だったらドリブルで仕掛けてだったりで、雰囲気を変えるべきところが、本当にこのチームには無い。良くない時の日本がそのまま出て、大会が終わってしまった。僕自身を含めて、もっともっとやらないといけない」
試合後、冨安は自責の念を込めながら、こう反省した。前出のスポーツ紙記者は、こう補足する。「無論、勝利への欲が無かったわけではありません。ゴールを決めた守田選手からは『ピッチ外からのアドバイスが欲しかった』と言い、森保一監督(55才)らのベンチワーク不足の声も上がりました。でも、いちばん欲しいのは、劣勢をワンプレーで打開できるカリスマ的プレイヤーでしょう」。