ライフ

『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』を鈴鹿央士がナビ お気に入りベスト3も発表

鈴鹿央士が優しくナビ

鈴鹿央士が優しくナビ(クロード・モネ『睡蓮』/ウスター美術館)

 モネを筆頭に、フランスから世界へと広がった印象派。その歴史を、アメリカ・ウスター美術館の所蔵を中心に約70点に及ぶ作品でたどる展覧会が開催。実はアート初心者というオフィシャルサポーターの鈴鹿央士が、誰でも気楽に楽しめる見どころをレクチャーしてくれました!

 * * *
 ウスター美術館はアメリカ・ボストン近郊にある地域密着型の美術館で、誰もがフラッと立ち寄れる場所になっているそうなんです。この展覧会でもその気軽な雰囲気が引き継がれていて、“敷居の低さ”がポイント! 「モネの『睡蓮』が来ているなら見てみよう!」くらいの気楽な感じで見に来ていただければと思います。

 展覧会って集中して見るから神経を使って疲れるかなって思っていたんですけど、実際に見て回ったら絵からパワーや元気をもらえて、晴れやかな気分になったので疲労感はなかったですね。印象派の絵は風景や人などすごく生活に根付いた作品が多いし、光の入り方などの瞬間の切り取り方や、風や木々の揺れといった印象派ならではの表現がすごくきれいなところも見どころです。

 今回、音声ガイドのスペシャルトラックにも挑戦しています。見ているかたに寄り添って、いっしょに展示を巡っているような感覚で楽しめるように、ぼくも肩の力を抜いて収録しました。

 日本では西洋の絵画=印象派というイメージがあります。特にモネ、ルノワール、セザンヌは学校の授業で習ったりして、みなさんの中でも名前になじみがあるはず。まずは“有名どころ”の作品から見るのも、いい経験になると思います。

●クロード・モネ『睡蓮』1908年

「水面に映る景色の美しさや作品の爽やかさを感じて、多くの人が魅了される理由がわかった気がします。モネの『睡蓮』を世界の美術館で初めて購入したのが、ウスター美術館。今回、画商と当時の館長とのやり取りの手紙も展示されているので、その歴史に触れるのも楽しいと思います」(鈴鹿・以下同)

日本テレビ放送網株式会社

日本テレビ放送網株式会社

●ピエール=オーギュスト・ルノワール『闘牛士姿のアンブロワーズ・ヴォラール』1917年

「最初は風景画にばかり目がいっていたんですけど、人物画もすごくよくて! その人の持つ雰囲気やオーラを描いている感じがして、印象派の人物画の面白さを新たに発見しました」

東京富士美術館

●ポール・セザンヌ『オーヴェールの曲がり道 』1873年頃

「印象派の作品は色味が繊細。資料写真で見てもすごいなと思っていたんですけど、実際に見ると色彩や絵の具の質感が違います」

フランスから世界へ 注目作家ベスト3

注目作家ベスト3を紹介

注目作家ベスト3を紹介

「パリで生まれた印象派が、世界中にどう広がっていったのか。アメリカに伝わってどのように色づいていったのかを一堂に見ることができます」

ウスター美術館

ウスター美術館

●チャイルド・ハッサム『花摘み、フランス式庭園にて』1888年

「実際に見ると木漏れ日の明暗がきれい! 個人的には奥のベンチに座っているおじいさんが好きなんですけど、そんな細部までよく見えるように描かれています。

ウスター美術館

ウスター美術館

●ポール・シニャック『ゴルフ・ジュアン』1896年

「これまで新印象派の作品は見る機会がなかったけど、すごくよかった! その中でもこの作品が好きです。ぼくはドット絵と呼んでいるけど(笑い)、正しくは“点描画”という手法が使われていて、実際に見ると質感が全然違います」

東京国立近代美術館

東京国立近代美術館

●黒田清輝『落葉』 1891年

「日本に印象派を伝える大きな役割を果たした画家。フランスの風景が描かれているのですが、日本の風景かなと思ったくらい懐かしさを感じました」

関連記事

トピックス

財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト