芸能

高田文夫氏、飲み仲間だった紙切り・林家正楽さんの思い出 どれだけ酔っ払っても翌日は何でも鮮やかに切っていた

林家正楽さんとの思い出も振り返る(イラスト/佐野文二郎)

林家正楽さんとの思い出も振り返る(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、サンドウィッチマンとの交友や林家正楽さんの思い出について綴る。

 * * *
 本家アカデミー賞より少し早く私の番組『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)では毎年、前の年に話題になった人を対象に“ビバデミー賞”なるものを発表しスタジオへ招き表彰している。

 今年は連日「サンドウィッチマン」、元テレビ東京なのにニッポン放送で喋っている「佐久間宣行」、この3月で『笑点』を卒業する「林家木久扇」、そして昨年12月に横浜スタジアムで28分30秒もの長さで始球式(とは名ばかりの一人コント)の記録を更新した“野球と警察”バカ「柳沢慎吾」らに来てもらった。本家の『ゴジラ-1.0』に負けないいい顔ぶれだと思う。みんな口を揃えて言ってくれる。「どんな賞よりも、高田センセーのこの賞が一番嬉しい」と。

 サンドに会ったので「いつも芦田愛菜ちゃんと仲良くテレビやってんの知ってるけど、ちゃんと見とけよ。お年頃だ。監督不行き届きだぞお前ら。愛菜ちゃん、今若手落語家の柳亭小痴楽に夢中でいつもスマホで噺きいて、部屋にはポスターが貼ってあるらしいじゃねぇか。いったいどうなってんだ」。「落ち着いて下さい。それはドラマです」。きけば西島秀俊とやってる日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』のことだそうな。なんだこの「寿限無」みたいな長いタイトルは。覚えられないだろ。

 ヤンチャな小痴楽の名前で想い出した。父の五代目痴楽(私と同世代、早逝)と私と寺尾(先日早逝)と琴ヶ梅で何故か1990年代本当によく銀座へ飲みに行った。痴楽も寺尾も本当にサッパリしていていい男だった。

 周りを見渡すともう誰もいない。先日は紙切りの正楽も亡くなった。同世代で若き日は酒好きの右朝、正楽とでよく新宿で飲んだっけ。あれだけ酔っ払っても翌日寄席ではキチンと鋏を持ってどんなリクエストでも、「藤娘」でも「ウルトラマン」でも鮮やかに切ってみせた名人芸。

 団塊の世代も少なくなり芸界もサンドやら伯山らの時代だ。伯山がラジオで叫ぶ「ダイコン!」、ナイツ塙がラジオでつぶやく「私も高田センセーから“流れるような棒読み”と言われましたけど新しい“棒”をみつけました。(ドラマ『Eye Love You』で)二階堂ふみの父親役をやってる志らく師でーす」。談春の会へ行ったら枕で「志らくも何でドラマに出るかね」とドッカーン。

 実は志らくも自分で「オレは棒ダイコンだな」と気がついた様子。“棒ダイコン”って何だ? ブリ大根みたいじゃねえか。ダイコンだけにもうすぐ(ドラマ)おろされる?

※週刊ポスト2024年2月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
中日ドラゴンズのレジェンド・宇野勝氏(右)と富坂聰氏
【特別対談】「もしも“ウーやん”が中日ドラゴンズの監督だったら…」ドラファンならば一度は頭をかすめる考えを、本人・宇野勝にぶつけてみた
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン