中国と北朝鮮の外務省高官の交流が活発化しており、年内に中国の習近平国家主席と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が両国を相互訪問することで協議が進んでいることが明らかになった。
今年10月6日は両国の国交樹立75周年記念日であり、その前の10月1日は中国の建国75周年記念日である。これを機に、これまでぎくしゃくしていた両国の関係を朝鮮戦争以降の「血で塗り固めた友誼」の関係までに修復しようという機運が高まっているという。米AP通信が報じた。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は1月25日、「孫偉東外務次官率いる中華人民共和国外交部代表団が25日、(北朝鮮の)新義州を経由して平壌に到着した」と報じた。中国外務省の訪朝団が国家レベルの代表団であることを示した。
これに先立ち、昨年12月には北朝鮮の朴明浩外務次官が北京を訪問し、孫氏と中国の王毅・中国共産党政治局員兼外相と会談。両者は今年10月の中朝国交正常化75周年は「両国の相互利益分野における協力をさらに強化する機会とする」ことで合意している。
今回の孫次官の訪朝は朴次官訪中の返礼ともいうべきもので、今年春には北朝鮮の崔善姫外相が訪中して王毅外相ら中国政府・党高官と会談し、両国首脳相互訪問の詳しい日程などを協議するとみられる。
北朝鮮は中国が韓国との関係を強化していることにいら立っており、最近では中国からロシア寄りに外交シフトを変えているが、習近平指導部は対米関係が冷却化していることもあって、北朝鮮との関係修復を急いでいるとみられる。
金氏が訪中すれば、2019年1月以来、5年9カ月ぶり。習氏も中国の最高指導者就任後としては、2019年6月に初めて北朝鮮を公式訪問しているが、今回の同年内の相互訪問が実現すればその注目度は高まりそうだ。