映画『ぼくは勉強ができない』の主役で華々しくデビューし、日本アカデミー賞新人賞などを受賞した鳥羽潤さん(45)。安達祐実(42)と共演したドラマ『聖龍伝説LEGEND of St. DRAGON』(日本テレビ系)や、吉川ひなの(44)と共演したポッキーのCMでも活躍した。そんな鳥羽さんの近況が気になる。そこでご本人に話を聞いてみた。。【前後編の前編。後編から読む】
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デビュー作は1996年の映画『ぼくは勉強ができない』。勉強には興味がなく、将来に悩み、年上女性と恋愛中のモテモテ高校生・時田秀美役を瑞々しく演じ、輝いていた。
「少し前に改めて観る機会があったのですが、あのときのようなお芝居を今、演じてみせろ、と言われてもできないな、と思いました。初々しい下手さ、というか(笑)。習ってもできない、演じていないホンモノの下手さ。なんせ、発声や芝居のレッスンを受けたことなどなく、まったくの素人の初めてのお芝居だったので」
鳥羽さんが役者として世に出たのは、同年1月スタートのドラマ『ピュア』(フジテレビ系)だが、撮ったのは『ぼくは勉強ができない』が先だった。「ただ、そこにいればいいから」と言われ、スタッフと“セッションしながら撮影した”という感覚だったという。
「素の僕と重なる部分があったのか……勉強ができないところは同じですね(笑)。あと、自由奔放なところも似ていたかな。素の僕は真面目なグループやスポーツに打ち込んでるグループ、やんちゃなグループ……そのどこにも属していないけど、誰とでも付き合う、というタイプでした。
一方で僕自身は、作品の中の僕と僕自身とは、別物だと思っています。だから、自分の出演作をみるのは、最初から恥ずかしくなくて平気でした。演じる面白さは、当時はまだわかりませんでしたね。今もわかっているのか、わかっていないのか……。ただ、初めての撮影は、『スタッフと一緒にいる現場が楽しい』とは思いました。
でも、その後に撮ったフジテレビのドラマ『ピュア』で楽しい気分をへし折られました(笑)。僕の出番で何テイクもかかり、みんなの休憩時間を1時間から15分、10分にまで減らしてしまって。今でこそ“しごいてくれて感謝”ですけど、当時はいっぱいいっぱいで、後でスタッフ1人1人に『僕のせいですみませんでした』と、頭を下げに回りました。撮影終了後には、スタッフさんに『この仕事は向いてないので辞めます』と言ったんですよ。撮影していた渋スタ(渋谷ビデオスタジオ)を見るだけで、胃が痛くなっていましたから(笑)」