35年ぶりに、日経平均株価が史上最高値目前まで迫っているが、かつてのバブル時代には、女性たちも脚光を浴びた。1986年、男女雇用機会均等法が施行。社会進出を果たした女性たちは物欲、旅行欲を爆発させたのだ。
東北・上越新幹線開通でスキーブーム到来。苗場はリフト待ちの若い男女で大渋滞。映画『私をスキーに連れてって』(1987年)もヒットした。
1986年にJALが成田~パリ線、ロンドン線の直行便運航開始。空前の海外旅行ブームとなった。
多くの女性ファンを掴んだのが競馬だ。第二次競馬ブームを生み出した名馬・オグリキャップ。中央競馬時代はスーパークリーク、イナリワンとともに「平成三強」と呼ばれ愛された。大画面モニターのある飲食店では『トゥインクルレース』をみながらテーブルごとに予想する“コンパ”も開催された。ちなみに、競馬や麻雀にハマる女性たちは「オヤジギャル」などと呼ばれた。
黒川紀章設計の六本木プリンスホテルの温水プールにはハイレグギャルが大集合。壁面は透明で、ラウンジから鑑賞されるのを楽しむかのように、水着姿を見せつけていた。
娯楽に貪欲に生き、行動範囲を広げた彼女たちが、バブルを牽引していったのだ。
バラエティ番組『オールナイトフジ』(フジテレビ系)で活躍し、番組内で結成された女子大生アイドルユニット『おかわりシスターズ』でも人気を得た山崎美貴さん(59)が語る。
「マイカーを持っている女子大生が多く、私もVWゴルフを乗り回していました(笑)。ディスコにスキー、海外旅行……とにかく色んな所に行ったな。当時は、“お金を使ってなんぼ”という時代。女子大生は高級ブランドバッグを持っているのが当たり前で、持っていないと時代遅れ。私も見栄を張ってお小遣いで23万円のハンティングワールドのバッグを買いました」
【プロフィール】
山崎美貴(やまざき・みき)/1964年生まれ、神奈川県出身。深夜番組『オールナイトフジ』にレギュラー出演、1985年に司会に抜擢。タレント活動を経て文学座で杉村春子に師事、女優として活躍。2月上演の舞台『小栗判官と照手姫』に出演中。
取材・文/上田千春
※週刊ポスト2024年2月23日号