中国湖南省のスポーツメーカーが北朝鮮のサッカー代表チームとユニフォームやサッカー用品の使用契約を結んだことが分かった。しかし、2016年3月に採択された国連安保理の対北朝鮮制裁決議第2270号によると、スポーツ用品は北朝鮮への移転が禁止されている嗜好品に分類されており、今回の契約は制裁決議に違反する可能性が出てきた。
中国紙「湖南日報」によると、湖南省に本社を置く「銀朗体育公司(銀朗スポーツ)」は1月下旬、同省長沙市で、北朝鮮サッカー協会との調印式を行い、北朝鮮の男女サッカー代表チームの公式スポンサーになったと発表した。調印式には、北朝鮮サッカー協会の辛永哲事務総長や湖南省体育局の張連宝副局長、銀朗スポーツの王海兵会長らが出席した。
辛事務総長は「北朝鮮と中国のサッカーにおける将来の協力は幅広く、両国のサッカーの新しい章を共同で開くために、重層的な交流と協力を積極的に推進する」など中国側と協力関係に期待を示した。
サッカーの北朝鮮代表チームは、過去にはFILA(2000年のシドニーオリンピック)、アディダス(2006年ドイツワールドカップアジア予選)、中国の中国鴻星スポーツ(2008北京)のユニフォームを着て国際大会に参加してきた。2010年南アフリカワールドカップの際には、イタリアのスポーツブランド、レゲアとの間で、4年間で400万ユーロ(当時のレートで約4億5000万円)の契約を結んでいた。
しかし、その後、国連の対北朝鮮制裁の影響で、ロゴのないユニフォームで大会に出場している。とくに、2016年の上記の国連安保理対北朝鮮制裁決議では、スポーツ用品の北朝鮮への提供が禁止されており、今回の銀朗スポーツとの契約は制裁違反の可能性が強い。銀朗スポーツはこの点について触れておれず、国際サッカー連盟(FIFA)が調査に乗り出すのではないかとされている。