2年連続Bクラスからの雪辱を誓う巨人。阿部慎之助・新監督(44)が率いる春季キャンプで松井秀喜・臨時コーチ(49)を迎え、打撃陣には光明が差しているように見えるが、投手陣に生じた綻びにより暗雲が垂れ込めてきた。
阿部新体制をいきなり襲ったのは、守護神としての完全復活に期待がかかるストッパー・大勢(24)の離脱だった。巨人番記者が語る。
「キャンプ初日の2月1日にブルペンに入り、第一クール最終日の4日にも決め球のフォークを含めて24球を投げ込んだ。ところが、その日のランニング中に軸足の右ふくらはぎを痛め、阿部監督の判断でキャンプを離脱させて一時帰京。治療を経て13日に三軍キャンプの故障班に合流したが、開幕に間に合うか目処が立っていない」
辛口野球評論家の江本孟紀氏が指摘する。
「休めば治ると思いますが、投球時に全体重を支える軸足のケガ。癖になりやすい箇所なのが気になりますね。右投手にとって右足は土を蹴って球威をつけるために大切で、ふくらはぎにもそれだけ負担がかかる。キャンプ序盤で鍛えないといけない下半身をケガの影響で使えないとなると、開幕に間に合わない可能性も高い」
巨人のリリーフ陣は、V逸が続く近年の“泣き所”でもあった。2022年も、当初抑えに想定していた助っ人のビエイラが定着せず、大勢が57試合登板で新人最多タイ記録となる37セーブをあげるかたちだった。ただ、2年目の昨季は6月下旬に右上肢の故障で離脱し、27登板で14セーブ。ストッパー不在となったチームはリーグ4位に低迷した。リリーフ陣の防御率は3.81で、リーグワーストの数字だった。
「今オフはトレードなどでリリーフ要員を重点的に補強しました。ソフトバンクから高橋礼(28)、泉圭輔(26)、オリックスから近藤大亮(32)をトレードで獲得。ライバル球団・阪神からカイル・ケラー(30)と馬場皐輔(28)も新加入した。ただ、それでも大勢に代わるストッパー候補というと限られる」(前出・番記者)