歌手としてだけでなく愛猫家としても知られ、SNSでは、それまでの艶のあるイメージとはかけ離れた、“おちゃめな(猫の)ママ”の姿を披露する藤あや子(62才)。一方、自由気ままな独身(ソロ)生活を謳歌してきた芸人・ヒロシ(52才)もまた、猫を飼い始めたことによって意外な側面を見せる。2月22日の「猫の日」スペシャルとして、芸能界きっての愛猫家のお二人が初顔合わせ。マル(オス)とオレオ(メス)という保護猫を引き取った藤と、あっちゃん(敦司/オス)と櫻(メス)という保護猫を引き取ったヒロシが、思う存分“愛猫談議”に花を咲かせます。猫を飼い始めてから、生活が一変したという2人。いったいどんな変化があったのでしょうか?【前後編の後編。前編から読む】
家族が増え、仕事の仕方も一変
ヒロシ:生活どころか、人生が変わりました。すべてが猫中心になりましたよね。ベッドの中にあっちゃんと櫻ちゃんがいると、本当に幸せな気持ちになる。おれにとって“2人”は家族だから、家では人間と同じようにずっと話しかけていて、独り身じゃない気がしますね。
藤あや子(以下、藤)・わが家でも、「寝るよ〜」と声をかけると、マルオレちゃんがついてきてくれるの。で、“2人”がベッドのど真ん中で寝るものだから、私はいつも隅っこで小さくなって寝る羽目に。それで、キングサイズのベッドに買い替えたくらい。
ヒロシ:すごいなあ! でもその気持ち、わかります。人間が先回りして、猫にとって快適な環境を整えないと。
おれは仕事中、知人に留守番とあっちゃんたちのお世話を頼んでいるんですけど、それでもやっぱり心配。だって、おれ以上にきめ細かいケアは、他人にはできないから。頼んでおいて申し訳ないけど。
〈不在中に猫たちの様子を見られるカメラを設置し、時々チェックしているというヒロシ〉
ヒロシ:いまは仕事に出かけても、とにかく早く家に帰りたくなるんですよね。仕事が押すとソワソワする。今朝も出かける直前に櫻ちゃんがニャーニャーと何かを訴えていて、普段はそんなに鳴かないから、虫でもいたのかなって心配で……。実はいまも気が気じゃない。
藤:私も! 最近はお仕事が終わったら着替えもせず、化粧も落とさず、着物のまま帰ります。休みの日なんて、どこにも行かなくなりました。家にいたくて仕方がない(笑い)。こんなこと初めて。ずっとマルオレちゃんと一緒にいられるのが幸せなんです。
それに、これまでSNSには興味がなかったのに、いまでは四六時中スマホを持って、“2人”のかわいい瞬間を逃さないよう撮るようになりましたね。まるでスナイパーのよう! 昔から私を知っている人は、「ズボラなあなたがここまでマメにSNSを更新するなんて」って驚いています。
ヒロシ:おれも四六時中猫たちのことを考えていますね。何を考えているのかな〜、どうしてあげたら幸せかなって。しゃべってくれないから、正解がわからないんですよ。本当は自由な野良の方が幸せなんじゃないかなとか。誰か猫と話せる機械を作ってくれないかなあ。
藤:言葉がわからないからこそ、できる限りの愛を与えたいですよね。それに猫たちって、与えた愛情をちゃんと返してくれる。子猫の頃もかわいかったですけど、成長するにつれて愛情が増していく。年をとればとるほど、情が増し増しになりますよ
ヒロシ:え? やばい、これ以上愛情が増すの!?
藤:かけがえのない“家族”ですよね。
ヒロシ:わかります。人間みたいに思えるもの。呼ぶと応えてくれるし、おれの話を黙って聞いていてくれる。あの目は絶対理解しているね。人間の生まれ変わりなのかなって、しょっちゅう感じています。