「派閥パーティー禁止」を訴えながら、自らは「1時間で利益約600万円」の“ぼろ儲け”パーティーを開いていた小泉進次郎・元環境相(本誌・週刊ポスト2024年3月1日号既報)。同氏がコロナ禍で編み出していた別の“錬金術”とは──。
小泉氏の資金管理団体「泉進会」の政治資金収支報告書を調べると、コロナ禍の2021年6月から9月にかけて毎月、「小泉進次郎オンライン研修会」と銘打った会を開き、4回で計1528万円の収入を得ていた。費用は約268万円で、利益は1200万円超に上る。
事実上の政治資金パーティーだが、いくつか異なる点がある。
まず、利益率が高い。他の年に小泉氏が通常の政治資金パーティーを開く際の会場費を調べると1回200万円前後だが、このオンライン研修会では60万円程度。2022年の小泉氏の政治資金パーティーの利益率は約75%だが、この4回の研修会の利益率は約82%にのぼる。
加えて、こうしたオンラインの会には収支の透明度が低くなる“抜け道”が存在している。
そもそも、政治資金パーティーのオンライン開催について、政府は「認めない」という見解だ。
〈人を集めずオンラインで開催するものは、人を集めて行う会合と解することは難しい〉(2020年10月2日の政府答弁書)
政治資金パーティーの会費は「献金(寄附)」ではなく、「催事の対価」という“建前”だが、オンライン開催で飲食の提供どころか会場費さえかからないとなると、その建前が維持できないからだ。
複雑なのはオンラインの会が“禁じられているわけではない”という点だ。総務省は、「政治団体が事業としてオンラインの動画視聴によりお金を集めることができないという規定はない。『機関紙誌の発行その他の事業』に該当することになる」(政治資金課)と言う。
結果、「オンライン開催が政治資金集めの新たな抜け道に利用できてしまう」とするのは派閥の裏金問題を告発した上脇博之・神戸学院大学教授だ。
「政治資金パーティーには同一の者からの支払いは1回150万円までという上限や、20万円以上の支払いを受けた先の住所氏名を公表しなければならない規制があるが、『その他の事業』は規制の対象外になるからです。
コロナ禍でやむを得ずオンライン開催したのであれば、せめて政治資金収支報告書に政治資金パーティーと同等の記載をするのが筋でしょう」