ハリウッドに拠点を移して約20年。俳優・真田広之(63才)が世界に誇れる時代劇を作り上げた。
2月27日から動画配信サービス「ディズニープラス」で配信が始まったのは、真田がハリウッド初主演を果たし、プロデュースも手掛けた連続ドラマ『SHOGUN 将軍』だ。原作は、米国人作家ジェームズ・クラベルが1975年に発売したベストセラー小説で、今作は1980年に米国で三船敏郎さん(享年77)を起用して実写化された名作のリメイク版となる。
舞台は戦国末期、関ヶ原の戦いの前夜で、徳川家康と、英国人で外交顧問として彼に仕えた三浦按針(ウイリアム・アダムス)の史実が元となる物語である。真田は、家康に当たる主人公の吉井虎永を演じる。
「本物の日本の時代劇を世界に発信したい」──そんな真田の悲願を実現させた本作は、予告動画が公開されると、ハリウッドならではの大迫力の映像や、細部にまでこだわり抜かれた演出が話題となり、世界的に注目を集めた。
本作の撮影は、カナダで2021〜2022年にかけて行われ、多くの日本人キャストや、スタッフが参加したという。
俳優だけでなく、演出家や振付師、殺陣師としても活躍する、帆之亟(はんのじょう)さんもその一人だ。本作に「統括所作指導」として携わった彼は、役者の所作指導をはじめ、台詞、衣裳、小道具、セットなどを確認する重責を担った。
実は、帆之亟さんは真田の日本大学芸術学部時代(以下、日芸)の後輩で、40年ほど前から面識があったという。
「私が日芸に入学した頃、当時4年生だった真田さんのことを、みんな本名の“下澤先輩”と呼んでいました。真田さんは学生時代から人気俳優として活躍されながら、大学の『殺陣同志会』にも所属されていて、後輩にも態度を変える事なく接してくださり、面倒見が本当に良かった。私も行きつけの喫茶店で、何度かお話させていただいた記憶があります」(帆之亟さん、以下同)