海を越えてやってきた無法者による盗撮行為に、大谷翔平(29才)も球団も、そして番記者たちも激怒した。まるで迷惑系YouTuberのように選手たちの憩いの場を荒らすメディアは断固拒否! 前代未聞の“出禁騒動”を詳報する。【前後編の前編。後編を読む】
「ここは撮影禁止だ! 動画を削除して!」。和気藹々とした雰囲気に包まれていたロサンゼルス・ドジャースのクラブハウスに、突然、球団広報の鋭い声が響き、周囲に緊張が走った。血相を変えた広報担当者の厳しい視線を浴びていたのは、韓国人の動画カメラマン。その人物がこっそりビデオカメラを向けていたのは、ロッカーの前でパイプ椅子に座り、通訳の水原一平さん(39才)と談笑しながら、支度を整える大谷翔平の姿だった──。
「クラブハウス内は原則撮影はNG。例外として、事前に許可されたインタビュー取材は認められますが、その場合でも周囲は絶対に映らないように配慮するなど、細かい取り決めがある。
これはメジャー球団の取材をする人なら、誰もが知っている共通ルールで、無断撮影はいわば“盗撮”です。広報担当者の声がするまで、大谷選手は撮影されていたことに気づいていなかったようですが、さすがの彼も怪訝な表情を浮かべていたそうです」(スポーツライター)
だが、この騒動は、単なる迷惑行為では終わらなかった。2月13日、ある韓国メディアが大谷の動画をYouTubeに公開した。中央の天井にはテレビモニターや掲示板が設置され、テーブルのほかに卓球台も置かれている選手たちの憩いの場。時に自宅以上に長い時間を過ごすロッカールームは、選手によってはルーティンを確立するための神聖な場所でもある。
MVP受賞者の大谷はチームから敬意を表され、2人分のスペースを用意されている。各選手の野球道具や私物が収納されたロッカーが壁一面に並んだその部屋で、アンダーシャツ姿となり“生着替え”をしている大谷が映っていたのだ。これこそが冒頭の盗撮動画だった。
普段目にすることのない場所で撮影された映像だっただけに、公開直後からSNS上で「これはルール違反の盗撮ではないのか」と物議をかもした。その2日後、ドジャースは一連の違反行為を問題視。無断撮影動画を公開した「SPOTV」という韓国メディアを「無期限取材活動禁止」の厳罰に処したのだ。
「動画撮影がバレたときに、球団広報からその場で動画の削除を命じられ、まるで消したかのように振る舞っていたんです。にもかかわらず、こっそりと動画をクラブハウスから持ち出して、さらに編集まで加えて動画を公開した。しかも韓国語で“訓練準備も念入りに”という字幕までつけていました。反省がないどころか、明らかに確信犯ですね」(前出・スポーツライター)