阿部サダヲ(53才)主演、宮藤官九郎(53才)脚本のタイムスリップドラマ『不適切にもほどがある!』が話題だ。作中に登場する“昭和の小ネタ”にワクワクする視聴者も多いという。そんな『不適切にもほどがある!』の魅力について、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。
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憂いのある表情にいろいろなことを思い出した
「『不適切にもほどがある!』(TBS系)はご覧になりましたか?」と数百人のかたを前に私が問うたのは、ドラマの初回オンエア翌日である1月27日に行われた学びのイベント「エンジン01 in 市原」(帝京平成大学 千葉キャンパス)の講座の1つ、「エンタメの天才とは?エンタメ業界裏話」でのことでした。
同講座の登壇者は林真理子さん(69才)、元テレビ東京のプロデューサー・佐久間宣行さん(48才)、元NHKのドラマプロデューサー・若泉久朗さん(63才)と私。“昨日の今日”だったため、お忙しいお三方は「まだ」だったのですが、なかでも佐久間さんのちょっと悔しそうな「まだです」は忘れられません。宮藤官九郎さん(53才)が書き下ろした“意識低い系タイムスリップコメディー”は、業界人として見ておかなければならない作品だということをすでにおわかりだったのだと思います。
私ですか? 私は番宣スポットで阿部サダヲさん(53才)が口にした『トゥナイト』(テレビ朝日系・1980年開始)や、あの山城新伍さん(享年70)が生んだ「チョメチョメ」が連発された時点で絶対にリアタイすると決意。27日の朝も再度見て元気をいただいてから「エンジン01 in 市原」へと旅立ったのでした。
今期は“おじさんドラマ”“おとうさんドラマ”が花盛りなのですが、なかでも阿部サン演じるそれは、もっとも愛すべきキャラクターであり、チャーミングでセクシーです。
多くの俳優さんが撮影現場で対峙したとき「もっともすごい存在」「なんでも演じられる」と絶賛し、挙げるのが「阿部サダヲ」の名前。
近年、私はドラマ『恋する母たち』(TBS系)で阿部サンが演じた「丸太郎さん」の超ポジティブさや明るさが大好きだったのですが、『不適切〜』の「小川先生」には丸太郎さんが重なります。