中国国家統計局は、2024年1月に16~24歳の若年失業率が14.9%であると発表した。これは学生を除いた失業率であり、中国の若年失業率は2018年から公表開始以降、上昇を続け、2023年6月には21.3%と過去最高を記録した。
こうした状況を受けて大学生の就職難も続いている。2022年の民間の調査では、大学卒業生の就職率は文系で12.4%、理学系が29.5%というデータも発表されている。このため大学院に進学する学生が増えており、昨年の大学院在籍者数は7年前の2016年に比べて倍増していることが明らかになった。中国国営新華社通信などが報じた。
中国教育部(文科省に相当)と国家統計局が発表した統計資料によると、2016年に中国の大学院生の数は66万7100人だったが、2022年は124万2500人で、2023年は130万2000人と、2016年からの7年間で大学院生が2倍以上に膨れ上がっている。
また、2022年には北京の大学院生が学部生よりも3万人多いという逆転現象も起きており、中国も大学では大学院生が過剰に増加していることから、大学院進学のための試験の合格率が年々下がっているという。
2020年には平均合格率は32.7%と、倍率は定員の約3倍だったが、2021年には24%と4倍になり、昨年の合格率は16%と倍率も約6倍と、2020年の倍以上の難関となった。
また、このような大学院生数の急激な増加で、近年、北京大学、北京師範大学、復旦大学、南京大学など多くの大学では大学院生寮が満員になり、大学側は新たに合格した大学院生に住居を提供できなくなり、多くの大学院生は下宿先を探さなければならなくなっているという。
中国のSNS「微博(ウェイボー)」では、「大学院生が多すぎて住む寮がない」という話題が最近、検索リストの1位に躍り出ており、2月末現在、3億1000万回再生されている。このような学生街の住宅難のあおりを受けて、このところ家賃が大幅に上昇しており、難関を突破して合格した大学院生は思わぬ大きな出費を強いられているという。