ロシアによるウクライナ侵攻では、ロシア軍が北朝鮮から輸入した砲弾や弾道ミサイルなどを使用していることが分かっているが、現時点でロシアが輸入した北朝鮮製砲弾の半数以上が不発弾で、残りの大部分も劣化している可能性があることが明らかになった。砲弾が砲身の中で爆発し、ロシア軍兵士が死傷するケースがあったという。
ウクライナの報道機関「インタファクス・ウクライナ」はヴァディム・スキビツキー・ウクライナ国防省情報総局副局長(少将)の発言として、「ロシアが北朝鮮から輸入した150万発の砲弾は1970年代から80年代のものだ」と報じた。
そのうえで、同副局長は「そのうちの半分は機能せず、残りは使用前に劣化している部分を修理する必要がある」と明らかにした。
昨年12月、ウクライナ軍のセルヒー・シャプタラ参謀総長(当時)もフェイスブックで、「前線部隊の報告によると、砲弾は非常に粗雑で、ロシアの大砲や迫撃砲の砲身の中で爆発することが多かったようだ」と述べている。
さらにインタファクス・ウクライナは2月16日、ウクライナのアンドリー・コスチン検事総長が、ロシアがウクライナに対して使用した北朝鮮の弾道ミサイルは少なくとも24発になったと述べたと報じている。同氏は発射された24発のミサイルのうち、比較的精確だったのは2発だけだったとし、他は住宅地に落ちるなど、ミサイルの精度に疑問があると語った。
このようにウクライナ側は北朝鮮がロシアに武器や砲弾を供給しているとたびたび主張しているが、ロシアは否定も肯定もしていない。
しかし、ウクライナ軍が2月に公開したロシア軍発射の砲弾の破片には北朝鮮で使われているハングル文字が書かれており、砲弾が北朝鮮製であることは明らかだという。