元横綱・白鵬の宮城野親方のキャリアは、徳俵に足が掛かっている。弟子の北青鵬(引退)の暴力行為で2階級降格と3か月間の減俸、そして“師匠剥奪”の処分となった。協会執行部はここぞとばかりに責め立てるが、白鵬はどう動くのか──。
3月10日に初日を迎える大阪場所では、同じ伊勢ヶ濱一門の玉垣親方(元小結・智乃花)が宮城野部屋の師匠代行を務める。「白鵬は弟子の暴力を報告せず、協会の調査を妨害するような動きを見せたことで、師匠の立場を剥奪される重い処分となった」(担当記者)のだ。
大阪・天王寺区内の宿舎に玉垣親方が合流すると、部屋の力士に外出自粛、会食禁止、後援者との交流禁止が通達された。
「宿舎での取材もNGだが、白鵬は朝稽古で玉垣親方の横に座って平然と指導しているという。白鵬からすればどの親方も格下。最高位が小結の玉垣親方が“指導”するのは土台、無理です」(同前)
ただ、執行部は形ばかりの“指導”で終わらせるつもりはないようだ。
アニキの部屋には行かせない
宮城野部屋の今後について若手親方はこうみる。
「場所前の伊勢ヶ濱一門の集まりで、理事である元大関・魁皇の浅香山親方を中心に今後が話し合われる。そこで出た案を協会に示して承認を得る流れです。基本的に部屋は解体の方向で、あとは親方と約20人の弟子をどうするかの話でしょう」
全員が同じ部屋に移るのは現実的ではなく、“分散”するとみられている。
「白鵬は、アニキと慕うモンゴル出身の大島親方(元関脇・旭天鵬)のもとでの部屋付きを望むだろうが、協会はモンゴル出身者を結集させたくない。白鵬のために年寄株を探すなどしてきた朝日山親方(元関脇・琴錦)の部屋も認められないでしょう」(同前)