指定暴力団・稲川会が傘下組織に出した通達文が関係者の間で話題を呼んでいる。2月14日付で稲川会総本部が〈稲川会総本部御通知〉と題された通達文を傘下組織に配布。〈各一家総長各組長に必ず通達する様御願い致します〉と添えられていて、その重要性が窺える。
「暴力団の通達文といえば、代表的なのが組員の破門・絶縁を記したものです。これは単に“この組員を破門・絶縁しました”という通知だけでなく、“他団体に、この組員との交友、接触、引き抜きはご遠慮ください”という要請も含まれている。簡単な連絡ごとは口頭や電話で伝えられるため、暴力団がわざわざ通達文という形で出すことはその内容が組織にとって非常に重要な内容であり、警察も注目している」(全国紙社会部記者)
今回、稲川会が出した通達は、絶縁・破門か、はたまた人事異動か──と思いきや、なんと組員の“スマホマナー”への注意喚起だった。
〈稲川会館参集時(定時直参会・理事会)会館内には『スマートフォン・携帯電話・スマートウォッチ』の所持を厳禁と致します〉
一般社会でもスマホの使い方については悩みの種になるケースが多いが、暴力団でも、それは同じようだ。「以前もある有名組織が本部の建物周辺での通話を禁じる通達を出したことがある。定例会ともなると多くの組員が集まるため、近隣住民から“話し声がうるさい”というクレームが入ったのが理由と聞いている」(同前)と、組織として対応を迫られる例は珍しくないという。