「ぼくは不自由なく、ある程度なんでもやらせてもらえる家庭で育ってきた。ただ、最初からそうじゃない子もチャンスを与えられるべきなんです」。ドジャーブルーのネクタイを身につけ、そう語る大谷翔平(29才)の表情には、これまでとは違った決意が刻まれていた──。
英会話大手のECCは3月1日、大谷との共同プロジェクトを通じ、3年間で延べ300人の子供たちの留学支援を行うことを発表した。冒頭の発言はECCのホームページで同社の社長と対談した大谷の発言だ。しかも、子供たちの留学費用はすべて“大谷持ち”なのだという。
「ECCの社長が4日にMBSラジオ(大阪)の番組に出演した際に、プロジェクトの費用は大谷選手が全額支払うことを明かしました。提案を受けた当初は社長も『いくらお金持ちでも全部払うなんて……』と、半信半疑だったそうです」(スポーツライター)
円安の経済情勢を考慮し、ECCサイドは留学先としてアメリカより費用が抑えられるニュージーランドやオーストラリアをすすめたが、大谷はあくまでもドジャースの本拠地であるロサンゼルスを希望。第1弾として今年8月に、日本の小学4年生から高校3年生までの100人を1週間の留学に招待することが決まった。
「1週間の米留学費用は渡航費用を含めると最低でも1人50万円との試算もある。つまり、大谷選手は毎年5000万円以上の費用を負担することになるのです。留学先にロサンゼルスを希望したのも、子供たちとの対面や球場への招待の可能性を残したかったからだといわれています」(前出・スポーツライター)
1月に発生した能登半島地震でもいち早く寄付を表明した大谷。メジャー挑戦以降、彼の篤志の精神は増すばかりだが、なかでも目立つのはグローブの寄贈や今回の留学など、子供向けの支援だ。あるスポーツジャーナリストは、その理由を次のように指摘する。
「実業団でのプレー経験がある新妻のAさんの影響が大きいのではないか」
大学卒業後、強豪実業団チームに入団した元バスケットボール選手のAさんは、昨年まで現役の選手としてプレーしていた。
「マイナースポーツも多い企業スポーツでは、プロ以上に社会貢献を重んじます。なかでもAさんのチームはスポーツを通じた児童教育に熱心なことで知られ、たびたび『バスケットボール教室』を開くなど、拠点を置く自治体と協力し、スポーツの楽しさを子供たちに直接伝える活動を積極的に行っています」(前出・スポーツジャーナリスト)
現役時代、Aさんもこうした活動を通じて地元の小・中学生たちと数多く触れ合ってきた。Aさんが子供たちとボールを追いかけ、笑顔でハイタッチを交わす写真が、いまでも自治体のホームページに残っている。
「大谷選手と交際する中で、Aさんは、スポーツを通じて子供たちの成長にコミットし、社会に貢献することの意義をたびたび伝えたのでしょう。実際、大谷選手の社会貢献活動はAさんとの出会い以降に増え、しかも子供向けのものが目立つようになっているのです」(前出・スポーツジャーナリスト)
2020年の1月までに出会い、以降、関係を深めていたという大谷とAさん。大谷は2021年11月に闘病中の子供や家族を支援する慈善団体「ミラクルズ・フォー・キッズ」に約7万ドルを寄付。以降の“大谷グローブ”や今回の留学支援はすでに述べたとおりだ。
「大谷選手の志が次々と行動に結びついていく陰には、実業団で経験を積んできた、Aさんの“内助の功”があることは間違いないでしょう」(前出・スポーツジャーナリスト)
「すべては子供のために」──新妻は大谷のよき理解者であり、最高のアドバイザーでもあるようだ。
※女性セブン2024年3月28日号