ワールドチャンピオンを目指す大谷翔平(29才)の2024年シーズンが幕を開けた。世界中の野球ファンから注目される彼には、もうひとつの知られざる戦いがあった──。【前後編の前編。後編を読む】
今季から大谷翔平が所属するロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスのメジャーリーグ開幕戦は3月20日、韓国・ソウルの高尺スカイドームで行われる。韓国初開催の歴史的一戦を球場で生観戦できるのは、“限られた人”だけだ。
「同球場は収容人数が1万6000人とメジャーの球場と比べてコンパクトで、大谷選手の人気も重なりチケットはプラチナ化しました。通常の7倍の約55万円で転売されたチケットもありました」(スポーツライター)
大谷フィーバーはその5日前から始まった。手始めは3月15日、訪韓直前に公開された一枚の写真だった。
「2月29日に結婚を発表した妻と、韓国行きの飛行機前で微笑む“2ショット”が球団の公式インスタグラムにアップされた。結婚発表時、大谷選手は相手について『いたって普通の日本人』と話すに留めていました。突然の“お披露目”に多くのファンが衝撃を受けました」(前出・スポーツライター)
ショータイムの本番は、仁川国際空港到着後。大谷は妻を伴い、約600人のファンと報道陣が待つ到着ロビーに現れた。
「白のスニーカーに黒いジャージーのお揃いコーデで、大谷さんは時折、後ろを歩く奥さんを気にかけていました。振り返って手を差し出す場面もあった。手をつなぐことはなかったけど、それまで硬かった彼女の表情が笑顔に変わって、ラブラブな様子が伝わってきました」(駆け付けたファンのひとり)
だが空港ではヒヤリとする事件も起きていた。あろうことか、観衆からドジャースの面々に向けて生卵が投じられたのだ。逮捕された20代の韓国人男性は、「外国人をなぜ歓迎するのか。気分が悪くて投げた」と動機を明かし、「選手らを狙った」と話したという。
ゆがんだ愛国心というほかない行為だが、その火種は意外なところにもあった。ドジャースの対戦相手であるパドレスには、キム・ハソン内野手とコ・ウソク投手の2人の韓国人選手が所属している。
「韓国人選手としてメジャーリーグで初めてゴールドグラブ賞を獲得したキム選手は、今回の凱旋のヒーローになるはずでした。ところが、昨年末に大谷選手がドジャースに移籍したことで主役の座が奪われてしまった。韓国野球ファンのなかには、一連の“大谷フィーバー”を面白くないと感じていた人も少なくありません」(在韓のスポーツジャーナリスト)
(後編へ続く)
※女性セブン2024年4月4日号