小雨降る東京・銀座。ひと際大柄で目を引く一向が高級ブランド・エルメスの店舗を後にする。2月下旬の寒空の下で傘もささず、一人は浴衣姿、もう一人は特注サイズのスーツ姿、女性は華やかな花柄のトップス姿だ。大相撲の新大関・琴ノ若(26才)とその父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若=55才)、そして母でおかみの真千子さんである。
新大関が左手に下げるのは、これまた170キロ以上の体格に負けずとも劣らない大きな紙袋。中身は世界中のセレブから愛されるオレンジ色の“エルメスのボックス”だった。着物姿で銀座を闊歩する大関の圧巻の佇まいと、巨大なエルメスのボックスに、通りすがりの人達も思わず二度見するほどだった。
「いま最も注目される相撲界のスターですよ。新大関の琴ノ若は、角界が首を長くして待ち望んでいた、親子鷹のプリンスでもあります」とは、あるスポーツライター。
祖父は、昭和30~40年代に活躍した「猛牛」こと元横綱の琴桜(享年66)。父は元関脇の琴ノ若という“サラブレッド”だ。「幼少時代は、祖父のひざの上に座って相撲部屋での父の朝げいこを見学。小学校時代から身長160センチ、体重80キロの巨漢で将来を嘱望されていました」(前出・スポーツライター)。