38年間という長きにわたり続いた『世界ふしぎ発見!』(TBS系・以下、ふしぎ発見)の中で、板東英二(83才)は間違いなく功労者のひとり。それゆえ、世間に何も告げないまま“行方知れず”となったいまの状況は、番組関係者としては心配になるものだ──。
都内にある日本を代表する一流ホテル。豪奢なシャンデリアが煌めくなか、“主役たち”が宴会場に姿を現すと、フォーマルに着飾った出席者一同が視線を送り、拍手で出迎えた。3月13日に催された宴は、彼らが紡いだ「長い歴史」を物語るにふさわしいものだった。
「この夜行われたのは『世界ふしぎ発見!』の謝恩パーティーでした。出演者のなかで一番乗りし、大きな拍手を浴びたのは黒柳徹子さん(90才)。ふんわりカールのボブヘアにリボンをつけ、薄紫と白のグラデーションの花にスパンコールをあしらったジャケットに、フリルのブラウス姿。車いすでの登場でしたが、会場は一気に盛り上がりました」(芸能関係者)
続いて会場入りしたのは、昨年3月まで司会を務め、その後もクイズマスターとして出演を続けている草野仁(80才)だった。
「草野さんはビシッとしたスーツ姿で颯爽と登場しました。今後、草野さんがテレビに出演する機会はそう多くないようなので、名残惜しそうに共演者やスタッフたちと談笑していました」(前出・芸能関係者)
そんななか、多くの出席者の口をついて出てきたのは、かつて番組の主役のひとりとして活躍した「あの人」の名前だった──。
1986年に始まった『ふしぎ発見』が、3月30日の3時間スペシャルで放送終了となる。2月末には収録が終わっており、冒頭のパーティーは、関係者にとって最後の顔合わせの場となった。
「歴代の解答者やミステリーハンター、スタッフたちも多く出席し、思い出話に花を咲かせました。だからこそ“あの人”の不在が際立っていましたね。
黒柳さんを含む多くの関係者が心配し、“会いたかったですね……”と思いをはせたのが板東英二さんです」(前出・芸能関係者)
板東は1986年の番組開始当初こそ準レギュラーだったが、高い人気を受けてわずか3か月でレギュラー解答者に。黒柳に次ぐ正答率を誇り、さらには彼女との絶妙な掛け合いでお茶の間に笑いをもたらした。
「元プロ野球選手として、引退後は俳優や司会者とマルチに活躍したパイオニア。サービス精神が旺盛で、盛り上げ役として番組に大きく貢献してくれました。芸能界で黒柳さんのことを『お母さん』と呼ぶ唯一の人です。それだけ黒柳さんとの信頼関係は強かった」(テレビ局関係者)
カツラが経費で落ちると思って
そんな板東が躓いたのは、2013年1月のことだ。前年に個人事務所が名古屋国税局から7年間で約7500万円の申告漏れを指摘され、一時、芸能活動を自粛。そのまま『ふしぎ発見』を降板した。
「騒動を受けての会見では頭部の植毛に対する経費の扱いで、国税当局と認識の違いがあったと説明。“カツラが経費で落ちると思っていた”と涙ながらに謝罪しました。2014年1月に吉本興業に入って出直しをはかり、テレビやラジオに出演するようになりましたが、2018年には“仕事が入らん!”と、吉本を辞めてしまった」(前出・テレビ局関係者)
テレビ出演は2020年1月が最後となった。さらに、同年7月には、ラジオの収録直前に転倒して頭部を強打し、検査入院。9月にはこのラジオ番組も終了し、以降、メディアから板東の姿が完全に消えてしまったのである。
テレビにまったく出なくなって約4年。久しぶりに「板東英二」の名前がテレビに登場した。