波乱含みのスプリントGI。競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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昨年勝ったのは12番人気の7歳馬ファストフォース。このレースがスプリントGIになってからこれまで【7歳(以上)の日本生産馬】も、【二桁人気馬】も勝ったことはなかった。団野大成騎手、西村真幸調教師ともにGIを勝ったことがなかったし、母の父が名スプリンター、サクラバクシンオーだった馬も初勝利。そもそもこのレースでは【母の父が日本で競走生活を送った】馬は勝ったことがなかった。
同じ1200mGIでもスプリンターズステークスとは異なる傾向を示している。このレースでは今年も「勝っていない」馬を軸に買うべきなのか、それともデータに基づくべきか。とりあえず、このレースの「勝っていない」条件をあげてみる。
【ディープインパクトの子供も孫も勝っていない】
ディープはクラシックの王道路線だからと思うかもしれないが、グランアレグリアはスプリンターズSを勝っているし、このレースでも2着。ミッキーアイルも2着があるし、その子メイケイエールは1番人気に支持されている。
該当馬=ディヴィーナ、ナムラクレア、メイケイエール
【そもそも母父サンデーサイレンス系が勝っていない】
直子は4勝、フジキセキ産駒3勝、ダイワメジャー産駒も勝っているが、母系にサンデーサイレンスの血を持つ馬が勝っていない。
該当馬=ウインマーベル、トウシンマカオ
【ノーザンファーム生産馬は17年間勝っていない】
スプリンターズSではここ4年間で3勝もしているのに、春の6ハロンGⅠで勝ったのは2005年のアドマイヤマックスと2006年オレハマッテルゼだけ。スリープレスナイトやレシステンシアが人気になりながら敗れている。
該当馬=ディヴィーナ、ママコチャ、メイケイエール
【社台ファーム生産馬も11年間勝っていない】
レッドファルクスは2016年、2017年にスプリンターズSを連覇しているが、中京では2年続けて1番人気に推されながら敗れている。
該当馬=シャンパンカラー、ソーダズリング、モズメイメイ
【前走マイル以上を使った馬は23年間勝っていない】
最後(2000年)に勝ったキングヘイローは前走初ダートになるフェブラリーステークスを使って13着に敗れている。
該当馬=ウインカーネリアン、シャンパンカラー、ディヴィーナ