ドジャース・大谷翔平選手(29才)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39才)が、違法賭博を理由に球団から解雇された問題は大きな騒動に発展している。25日(日本時間26日)には、大谷自身が取材に応じる予定だ。
スポーツ専門局ESPNの報道で明らかになったこのスキャンダル。水原氏は、違法賭博で抱えた450万ドル(約6億8000万円)の借金を大谷の口座から送金する形で返済。ESPNは、大谷の代理人が窃盗被害にあったとして捜査当局に刑事告訴したと報じている。
ESPNが現地時間の3月19日に行った取材で水原氏は、“大谷が借金を肩代わりしてくれた”などと話しており、大谷のパソコンから大谷の口座にログインし、数か月にわたって1回あたり50万ドルを8~9回送金したと説明している。また、その借金が違法賭博によるものだということを大谷には知らせていなかったという。
しかし、翌日になって水原氏はESPNのインタビューでの発言を撤回。大谷は水原氏の借金について認知していなかったとされ、大谷の代理人が窃盗被害を訴えることとなった。
MLBでは、野球以外のスポーツを対象とした合法的な賭博は禁止していないが、違法賭博への関与は処罰の対象となる可能性がある。アメリカでは多くの州でスポーツ賭博が合法化されている一方で、大谷と水原氏の拠点であるカリフォルニア州では違法である。
そしてMLBは現地時間の22日、大谷と水原氏の疑惑について正式に調査を開始したと発表した。
「問題となるのは、大谷選手がどこまで知っていたかということ。大谷選手がまったく知らない状況で、水原氏が何らかの手段で勝手に大谷選手の口座から送金していたのであれば、大谷選手はまさに被害者となるでしょう。この場合、水原氏が大谷選手の口座を管理できる立場だったかどうかが焦点になります。もしも、水原氏が口座管理を任されていなかったならば、どうやって送金したのかという点も重要ですね。
仮に大谷選手が“水原氏の借金を肩代わりすること”を認識していた場合についても、借金ができた経緯を知っていたかどうかで変わってくるでしょう。違法な賭博でできた借金だと知らなかった場合、大谷選手は“詳細を知ろうとしなかった”という点で責任が生じる可能性がある。そして、違法な賭博でできた借金であることを知ったうえで肩代わりしていたなら、一種のマネーロンダリングに加担したと見られる可能性もあります」(スポーツ記者・以下同)
自分の試合に賭けたら永久追放
MLBの規則では、選手や関係者が自分が関わる試合を対象とした賭博に参加した場合、永久追放となり、自分が関わっていない野球の試合に賭けた場合も1年間の資格停止となると明記されている。違法な賭博へ参加した場合は、コミッショナーの判断で処分が決まる。