プロ野球の2024年シーズンが、3月29日に開幕する。埼玉西武ライオンズは、7年目の今井達也(25才)が初の開幕投手を務める。キャンプインを控えた今年1月、今井はアスリート・コンサルタントの鴻江寿治氏が主宰する合宿に参加し、大役をつかんだ。
人を「うで体」と「あし体」の2つのタイプに分ける独自理論で、これまで数多くのアスリートを指導してきた鴻江氏。2006年の第1回、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック、2021年の東京五輪で男子野球、女子ソフトボールの日本代表チームトレーナーを務めた。鴻江氏の著書『一生歩ける喜び 「うで体・あし体」鴻江理論で人生が変わる』より、一部を抜粋して紹介する。
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私の理論は、人の体を猫背型のうで体と、反り腰型のあし体の2タイプに分類することから始まります。
ネーミングの由来は、うで体は手でタイミングを取ったりリズムを取ったりすることが適しているからです。「うで」から動作をスタートするのがスムーズな動きにつながるので「うで体」と命名しました。あし体はその逆で、「あし」でリズムを取ったりタイミングを合わせることが適しているため、「あし体」としました。
タイプによって運動時や日常生活において気をつけるべきポイントが異なります。合わない体の使い方をしていれば、不調を感じたり、ケガや痛みに至ることもあります。肩が痛い、腰が痛い、肘や膝が痛い…そういった明確な痛みだけでなく、なんとなく頭がスッキリしないとか、ボーッとしてしまう、気分が憂鬱といったことに悩んでいる人もいるかもしれません。
より具体的に、うで体とあし体にどんな特徴の違いがあるかを解説します。
うで体
・体を横から見ると、背中が丸みを帯び、猫背になりやすい。
・背骨が右に弯曲しているため、背中側から見ると、左肩が右肩より上がっている傾向にあり、その影響で左手が右手より高い位置にある。
・右の骨盤が前傾し、左の骨盤が後傾している。また、右の腰骨が左の腰骨より前に出ている傾向がある。
猫背気味なので、まっすぐ立ったときに足の指先の上方に頭の位置がきます。体の重心も前寄りにあります。そのため、日常生活でも運動時でも、前傾姿勢を意識することがうで体の人の基本と言っていいでしょう。また、まっすぐ立っているつもりでも、骨盤のねじれからおへそは左を向いています。そして、骨盤のねじれによって左足を引きずりやすいため、左の靴底のほうがすり減りやすい傾向にあります。