スズ子の下宿先の“東京のお母さん”であるチズを演じたふせえり（写真／NHK提供）
2023年10月の放送スタート以来、日本の朝に元気を与えてきた『ブギウギ』。主人公・スズ子（趣里）の下宿先の“東京のお母さん”であるチズを演じたふせえりが、スズ子への想いを語る。
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頑張っているスズ子が下宿先に帰ってきたら、“東京のお母さん”であるチズさんと吾郎さんがいて、ほっと一息がつける。スズ子にとってそんな居場所になっていたらいいなと思っていました。
その時々でスズ子の同居人は入れ替わりましたが、皆で食卓を囲むシーンは印象に残っていますね。お料理には専門家の先生がついていて、あの時代の東京風の味付けになっているんですよ。それが本当に美味しくて、撮影が終わった後も趣里ちゃんたちと一緒に全部食べていました（笑）。
これまで何作かの朝ドラに出演してヒロインを演じた女優さんたちを見てきましたが、体力的にすごく大変で撮影が続くにつれてどんどん痩せていって顔色が悪くなるんです。だから現場で最初に趣里ちゃんに会った時に「つらかったら早く言ったほうがいいよ。“休みたい”と言っても全然オッケーだから」とアドバイスしました。その後も「大丈夫？」と声をかける度に「まだ大丈夫です」と気丈に返してくれました。
趣里ちゃんはすごく透明感があって色で言うなら「白」って感じ。歌声がお母さん（伊藤蘭）に似ていたからそう伝えると「え～、やだな～」と言ってましたけどね（笑）。
初めて趣里ちゃんと共演しましたが、彼女は物語全体をしっかり捉えながら、“このシーンは主観でいこう”“このシーンは客観でいこう”と上手く使い分けることができる女優さんだなと感じました。客観的な視点も持っているから、起きている現象に反応しながら色んな役柄を演じることができるのだと思います。
『ブギウギ』では明るく元気なヒロインでしたが、過去の出演作では暗い役なども演じていて、それもすごくハマっていた。これからも趣里ちゃんが色んな役柄を演じるのを見てみたいし、また共演できたら嬉しいです。
【プロフィール】
ふせ・えり／神奈川県出身。主な出演作に映画『武士の献立』、ドラマ『ナースのお仕事』『時効警察』シリーズ、『大奥Season2』、NHK連続テレビ小説『まれ』『半分、青い。』など。4月期の『おいハンサム!!2』（フジテレビ系）に出演する。
※週刊ポスト2024年4月5日号
