「家族っていってもそれぞれいろいろあるから、ご飯、毎日みんなで食べようとは言わないけど、でも、いつでも自分が食べたいときに出てきて当然だと思われるのは嫌!」──3月16日に最終回を迎えたドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(フジテレビ系)。この“悲痛な叫び”は日頃は優しい母であり妻である美香のものだが、演じた富田靖子(55才)のせりふ回しは、目を見張るものがあった。
「いま、母親役を演じさせたら富田さんの右に出る役者さんはいないかもしれません。火種を抱えながらも穏やかな日常を過ごす主婦から、過干渉すぎる毒親まで、繊細に演じ分けます。でも、そうしたイメージが、彼女を苦しませたのでしょうか」(テレビ局関係者)
3月23日、富田が3年前に離婚していたことを公表した。3年前といえば、富田が『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で共演した新垣結衣(35才)と星野源(43才)が結婚を発表した時期と重なる。
「富田さんは新垣さん演じるみくりの母親役でした。父親役の宇梶剛士さん(61才)や、叔母役の石田ゆり子さん(54才)がお祝いコメントを寄せるなか、富田さんだけが無言でした。いま思えば、ご自身の離婚の時期と重なっていたからコメントができなかったのかもしれません」(別のテレビ局関係者)
富田は中学生のときに映画『アイコ十六歳』で芸能界デビュー。12万7000人の応募者のなかからの抜擢だった。その後も大林宣彦監督の映画『さびしんぼう』でヒロインを演じるなど、清純派として常に注目を集めたが、順風満帆に見える俳優人生にはコンプレックスがつきまとったという。
「顔立ちが幼いこともあって、少女役から大人の女性役への脱却に苦労した時期もありました。そんな彼女を変えたのが、社交ダンスでした」(芸能関係者)
富田は2006年に放送された社交ダンスのバラエティー番組にレギュラー出演。そこでペアを組んだのがダンス講師の夫(45才)だった。2007年に結婚し、1児を出産している。
「離婚と同じく、結婚の発表もしばらく経ってからでしたが、これが彼女の俳優人生を変えた。母親役のオファーが一気に舞い込むようになったのです」(前出・テレビ局関係者)
いまとなっては、母親役のイメージが定着している彼女だが、独身時代は恋の噂が絶えず、“魔性の女”といわれたこともあった。しかもお相手は、筧利夫(61才)に堺雅人(50才)といった大物ばかりだ。
「当時は、筧さんも堺さんも舞台では実績がありましたが、テレビではそこまでの知名度ではなかった。でも、彼女と交際後に、瞬く間に大きな仕事が舞い込んだのです。筧さんが『踊る大捜査線』で、堺さんが『新選組!』でブレークしたのも、富田さんとの交際後です」(別の芸能関係者)
そうした恋の末に出会ったのが、10才年下のダンサーだったのだ。
「しばらくは、年の差を感じさせないおしどり夫婦でしたが、娘さんが高校に入学し、子育てが一段落すると、富田さんが仕事を増やすようになった。それにつれて、すれ違うようになっていったといいます。
結婚、出産の公表をきっかけに、母親役で再ブレークした彼女にしてみれば、離婚を発表すれば、いまの俳優としての居場所を手放すことになるのではないか……公表が遅くなったのは、そういった心情があったのかもしれません。でも、近年よい作品にも恵まれ、自信がついたからこそ告白に至ったのでしょう」(前出・芸能関係者)
いまや武器になったベビーフェイスで、次はどんな役に挑むのか。
※女性セブン2024年4月11日号