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テツandトモ、談志師匠に言われた「お前たちはそのままでいい」 後になってから理解できたその言葉の真意

当時は真意がわからなかった恩師の言葉

当時は真意がわからなかった恩師の言葉

 卒業式や入学式がある春は、若いころに大切なことを教えてくれた恩師を思い出す季節。お笑いコンビ・テツandトモにとっての“恩師”は落語家の立川談志さん(享年75)だという。

「芸はイリュージョン」「お前たちは『テツandトモ』のままでいいんだよ」──デビュー当時から目をかけてくれた談志さんからもらった言葉の真意をテツandトモが理解したのは、ずっと後のことだった。

「初対面は、師匠が特別審査員を務めた『爆笑オンエアバトル 第1回チャンピオン大会』(NHK)。厳しくて怖いイメージでしたが、実際は優しくて少しシャイ。いまとなってはなぜ気に入ってくださったのかわからないのですが、番組のゲストや飲みの席に何度も呼んでいただきました。落語の師弟関係がなく、ぼくらがいろんなことを遠慮なく師匠に尋ねたことを珍しがってくれたのかもしれません」(トモ)

 談志さんは2011年に亡くなるまで2人を励まし、寄り添い続けた。

「挨拶の大切さや、面白いネタの中に面白くないネタを入れることで芸が際立つことなど、師匠から教わったことは数え切れません」(テツ) 

 中でもトモの印象に強く残っているのは、「芸はイリュージョン」というフレーズだ。

「出会った頃、師匠がよくおっしゃっていたんです。そのときは真意がわかりませんでした。いま思えば、本ネタ以外の芸も舞台にちりばめるなどお客様が楽しめる要素を増やして驚きや感動を与えるという意味だったのかなと理解しています」(トモ)

 テツは「お前たちは『テツandトモ』のままでいい」という言葉をいまも噛みしめている。

「昔出演したバラエティー番組で“自分たちの芸にキャッチコピーをつける”というお題が出て、『歌って踊れるテツandトモ』というのを考えたら、それを見ていた師匠がそう言ってくれた。これも師匠らしい、わかりづらい表現だったけれど、『なんでだろう』を代名詞にしたこのスタイルを貫き続ければいいんだ、と言いたかったんだと解釈しています。

 一発屋と言われようがなんだろうが、ブレずにこのスタイルを貫いてきたことで見えた世界、出会えたお客さんがいる。師匠の言葉がなかったらあきらめてしまっていたかもしれません」(テツ)

【プロフィール】
テツandトモ/1998年コンビ結成。歌ネタ「なんでだろう」でブレークし2003年新語・流行語大賞、年間大賞を受賞。現在はテレビ番組や全国各地のイベントを中心に活動。

※女性セブン2024年4月11日号

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